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防音室の選び方!実は防音室にもいくつかの種類が存在します!

人々の生活空間が近くなっている現在では、自宅で楽器の演奏やカラオケを楽しみたいなど、生活騒音とは比較にならないほど大きな音を生じさせるなら、防音室を用意するのがマナーとなっています。中には、一戸建て住宅なら騒音トラブルの心配がない…などと言った考えの方もいるのですが、大阪市内など都市部の戸建て住宅は、家と家の距離が非常に近くなっているので、大きな音を生じさせるなら、防音室が無いと隣人との騒音トラブルの確率が格段に高くなると考えなければいけません。

なお、一口に「自宅に防音室を用意する」と言っても、その方法には以下の二つの手法が存在しています。

  • 簡易防音室を置く
    既に完成している防音室を購入し、それを部屋の中に設置する。分かりやすく言うと、衣装ダンスや本棚などの大型家具を置くのと同じ感覚で、部屋の一角に防音室を置きます。
  • 防音工事をして防音室を作る
    これは、専門業者などに依頼して、リフォーム工事を施すことで、既存の部屋を防音室に作り替えるといった手段になります。最近では、専門業者に依頼せず、DIYで防音室に作り替えるような方もいるようです。

上記のように、自宅に防音室を用意する場合でも、大きく分けると二つの種類が存在しています。もちろん、どちらの方法を採用するのかによって得られるメリットなどが異なるので、ここでそれぞれの方法について、簡単に解説します。

「簡易防音室を置く」について

近年では、自宅に防音室を設ける方法として、「簡易防音室を設置する」という手段が人気になっています。

簡易防音室については、正式な定義のようなものもないのですが、一般的に「部屋の中に防音性を持った小さな部屋を置く」という手法が簡易防音室などと呼ばれています。他にも、ユニット型防音室や、定型タイプの防音室などと表現されるケースもあります。

この方法は、一般的な防音室のイメージとは異なり、既存の部屋に何らかの対策を施して高い防音性能をもたせるといった物ではありません。前述のように、「既に高い防音機能が実現された」小さな部屋を購入して、それを部屋の一角に設置するという簡単な方法ですので、『簡易』という表現をされているわけです。

ちなみに、簡易防音室にもさまざまな種類が存在していて、最も安価な物であれば、5万円程度で販売されています。そして、楽器演奏まで耐えられるような本格的な防音室の場合、100~200万円程するようなものもあります。

簡易防音室は性能や広さで費用が変わる!

簡易防音室は、近年の需要の高さから、さまざまな種類が登場しています。防音性能についても、オーダータイプを除いた既製品は、Dr15~40程度までと幅広い種類のものが販売されています。

なお、Dr15というのは、分厚い布団をかぶって声を漏れにくくする…程度の手軽な防音効果しか望めません。ただ、Dr-40レベルになると、下で紹介するような本格的な防音工事に匹敵するレベルの性能と言えますので、楽器の演奏や声楽用の防音室としても十分に利用可能だと思います。『簡易』という言葉が付くと、どうしても性能面に問題がありそうと感じますが、生じさせる音のレベルに合わせて、適切な防音室を購入すれば、音漏れを防ぐという目的は果たせると考えても構いません。そもそも、高額な費用をかけて、本格的な防音室を作ったとしても、100%の防音を実現することは基本的にありません。防音室は、対策を施す部屋の周囲にある環境騒音レベルまで音漏れを防ぐというのが目的になります。分かりやすく言うと、防音室内で100dBの音を、防音室から出る時に40dBまで小さくする(Dr-60)ことが目的になります。

また、簡易防音室は、部屋の広さで価格がかなり変わってきますので、以下にDr-35までの簡易防音室で、部屋の広さ別に大まかな費用をご紹介します。

  • 0.5畳程度・・・7~25万円
  • 0.8畳程度・・・12~65万円
  • 1.2畳程度・・・55~70万円
  • 1.5畳程度・・・65~80万円
  • 2.0畳程度・・・85~105万円
  • 3.0畳程度・・・100~135万円
  • 4.3畳程度・・・140~180万円

フルートやバイオリンなど、演奏者が立って演奏できる楽器であれば1畳前後の防音室でも対応可能です。ただ、防音室の中にグランドピアノを設置したいとなると、最低でも3畳タイプのもが必要になると思います。このレベルになると、とても『簡易』とは思えないほどのコストがかかってきますので、「分譲マンションで管理規約上、大掛かりなリフォームができない…」なんて場合を除けば、下で紹介する防音工事の方がオススメです。

簡易防音室は、その性能や価格帯など、製品によって全く異なります。以下に、主要な簡易防音室について、メーカー公式サイトをご紹介しておきますので、ご興味がある方は確認してみてください。

簡易防音室を低コストで導入する方法

簡易防音室は、性能が控えめで小さなものであれば、10万円前後で購入できるなど、低コストで導入することが可能です。ただ、楽器用の防音室になると、こういった安価なタイプで対応するのは難しいと考えるべきです。

防音室を求める理由が、ピアノの演奏やドラムの演奏など、高い性能と広い面積が必要となる場合、設置コストまで含めると100万円以上かかるのが一般的です。つまり、ここまでのコストをかけるのであれば、簡易防音室を選択する理由があまりありません。しかし実は、簡易防音室は、本格的な防音工事では難しい、コストのおさえ方が存在しますので以下でご紹介します。

  • レンタルで防音室を設置する
    一つ目のコスト削減方法は、防音室をレンタルするという方法です。簡易防音室は、既製品の防音室ですので、メーカーによってはレンタルサービスを用意している場合があります。これであれば、月額1~3万円程度のコストをかけるだけで、本格的な防音環境を実現できます。注意が必要なのは、防音室を設置している限りレンタル費用がかかりますので、中長期的に見ると購入するよりもコストがかかります。
  • 中古品を購入する
    既製品の防音室の中でも、アビテックスやナサールなど、高額なものは中古市場が出来上がっています。当然、中古品は新品よりも安くなっていますので、低コストで防音室を設置することができます。注意が必要なのは、防音室も経年劣化がありますので、中古品の防音室は、新品よりも性能が低くなっている可能性があります。

「防音工事をする」について

二つ目の方法は、既存の部屋に高い防音性能をもたせるため、防音工事を施すという対策になります。簡易防音室とは異なり、据え置き型の防音室で、カラオケボックスの部屋や映画館、音楽スタジオ(ライブハウス)などをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。簡易防音室は、プレハブ小屋のような物を、設置場所で組み立てるだけですので、引っ越しの際には、次の場所まで持ち運ぶことが可能です。しかし、既存の部屋に防音性能をもたせる防音工事の場合、部屋を移動させることはできません。

それでは、簡易防音室と比較した場合、防音工事にどのようなメリットがあるのでしょうか?

防音工事のメリット

一般的にですが、防音工事は簡易防音室よりもコストがかかる場合が多いです。ただ、コストがかかる分、性能面に関しては一から防音室を作る方が優れている場合が多いです。

まず、肝心要の防音性能についてですが、簡易防音室よりも高い防音性能を発揮させることも可能です。ただ、そこまでの性能が必要になるケースは少ないので、防音工事で目指す防音性能についてはアビテックスやナサールなどと同程度と考えておきましょう。(※もちろん、必要であれば既存の防音室よりも高い防音性能をもたせる工事を行います。)

それでは、「簡易防音室よりも性能が優れている!」と言わる所以はどこにあるのか…と疑問に感じてしまいますよね。実は、防音工事による防音室が優れているのは、単に音漏れや音の侵入を許さないという防音性能だけでなく、室内の音響環境やデザイン、機材の配置までユーザーの好みに合わせて作ることができる点なのです。

例えば、自宅に防音室を作ろうと考えている方でも、その理由は「ギターが弾きたい」「ボーカルの練習がしたい」「ピアノが弾きたい」「動画配信を考えている」「ドラムを叩きたい」「レコーディングがしたい」など、その人によって異なるはずです。そして、これらの防音室の目的によって、本来防音室というものは「どれくらい室内で音を響かせるのが良いのか」や、「どんな部屋の形が良いのか」「どれぐらいの広さが必要か」が変わってくるはずです。

簡易防音室は、上述したように、いくつかの広さは選べるものの、あくまでも既製品を販売する手法ですので、防音室の仕様は決まっています。多少のオプションで変更することができる部分もありますが、ユーザーの要望の全てを叶えられるほどの自由度は、とてもないと考えなければいけません。これが、防音工事であれば、お客様の要望をお聞きし、一から防音室の設計を行いますので、防音室の隅々まで自分の要望通りの性能を叶えられます。こういった自由度の高さは、防音工事の大きなメリットになると言えるでしょう。

※防音工事の自由度の高さについては、高い技術力を持った防音工事業者に工事を依頼した場合に限ります。

DIYによる防音工事はオススメできない

専門業者による防音工事は、どの広さの部屋に防音工事を施すのか、どの程度の防音性能を目指すのかなどによってかかるコストが変わります。一般的には、6畳程度の部屋をピアノ用防音室にする場合で、180~230万円程度が相場と言われています。これが、高いと感じるか安いと感じるかは、人によってかなり異なると思います。

そしてDIYを趣味とする方が増えている近年では、防音室についても「自作で出来ないかな?」と考える方が増えているようです。実際に、防音室についてインターネットで検索してみると、関連キーワードに「防音室 自作」や「防音工事 自分で」と言ったワードが並びます。DIYによる防音工事は、専門業者に依頼するのと比較すると、圧倒的に安く収まるという点がメリットと考えられています。最近では、ホームセンターやネット通販で、本格的な防音材を購入することができるようになっていますので、工具などを持っている方の中には、「自分で防音室を作ってみよう」と考える人が多くなっているようです。そして、自分で作るのであれば、材料コストのみで防音室が作れますので、6畳程度の部屋であれば数十万円あれば足りるはずです。

こう聞くと「それなら自分もDIYで防音室を作ってみようかな?」と考えるかもしれませんが、趣味レベルでDIYを行っている方であればやめておく方が良いと思います。というのも、自作で防音室を作る場合、必要な材料を選ぶのはもちろんとして、防音室の設計や施工まで全て自分でやるということです。そのため、自作防音室の多くは、防音室を呼べるレベルの性能に達していないものの方が多いのが現実です。
防音は、目に見えない音を防ぐための対策なのですが、音は空気の振動で広がっていきます。つまり、ほんの小さな隙間が生じているだけで、そこから音漏れが生じてしまうことになるのです。防音の専門業者は、そういった隙間が生じないのはもちろん、室内の音響環境や防音室の使い勝手まで、全ての面に注意して施工を行い、防音工事の前後で測定まで行っています。自作防音室は、ほとんどの場合、測定すら行われず、どの程度の性能をもっているのかも分からない状態で終わりますので、時間やコストの無駄になる可能性の方が高いと言えるでしょう。

それでも、自作で防音室を作ってみたいと考える方は、動画配信サイトなどで確認しながら行ってみると良いでしょう。

まとめ

今回は、自宅に防音室を作るための2つ手法について解説しました。この記事でご紹介したように、一口に防音室と言っても、簡易防音室と専門業者による防音工事という二つの手段が考えられます。

この二つの方法について、どちらかが一方的に優れているというわけではないので、あなたが防音室を必要とする理由やかけられるコストなどから、最適な手段を選ぶと良いでしょう。阪神防音では、どのような用途の防音室にも対応可能ですので、まだ計画段階という方でもお気軽にご相談ください!

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