防音工事を検討すべきケースとは？防音工事を実施することのメリットもご紹介！

コロナ問題以降、テレワークの導入などにより、人々の在宅時間が長くなってきたことで、近隣の方と音に関する問題を抱える方が増えていると言われています。実際に、我々のような防音工事業者には、毎日のように防音に関するご相談があるのですが、コロナ問題以降は、楽器用などの本格的な防音室だけではなく、生活音に対する防音のご相談が急増しています。

ただ、日常生活の中に潜む、生活音に関しては、誰でも生じさせてしまうことから、「どういったケースなら防音工事を検討すべきなの？」と迷う方も多いようです。そこで当記事では、ここ数年急増している音の問題について、防音工事を検討すべきケースと、実際に防音工事を実施した時に得られるメリットなどをご紹介します。

防音工事を検討すべきケースとは？

防音工事と聞くと、自宅で楽器の演奏を行う方やカラオケルームを作りたいなど、大きな音を生じさせる可能性があるため、近隣住人に配慮するための防音室を用意する工事というイメージが強いと思います。そして、一昔前までの防音工事業界では、こういった高性能な防音室を用意する工事の相談が最も多かったのは事実です。

しかし、新型コロナウイルス問題発生以降は、こういった本格的な防音室の要望だけでなく、日常生活の中で発生する生活音の対策のため、防音工事を検討しているという問い合わせが増加しています。例えば、コロナ禍でテレワークが導入されたという方から、「上の階の足音が仕事中に気になるので、天井の防音工事がしたいのですが…」「子供が室内で騒いでしまい、下の階の人に騒音のクレームを言われたのですが、何か対策できますか？」と言った生活音に関する騒音トラブルの相談が非常に多くなっているのです。

そこでまず、どういった問題が発生した時に、防音工事による対策が有効なのか、いくつかのケースをご紹介します。

テレワークなど、在宅勤務になった場合

コロナ禍以降、日本国内でも急速に浸透したのがテレワークなどの新たな勤務形態です。日本では、会社に出勤するということが重要視されていたこともあり、テレワークや在宅勤務と言った働き方は、なかなか浸透しなかったという歴史があります。実際に、働き方改革法案などで在宅勤務が推奨されていたのですが、コロナ問題が発生する以前は、ほとんどの企業が導入を見送っていたという事実があります。しかし、人との接触を減らすことが重要とされたコロナ禍では、多くの企業がテレワークを導入しており、テレワークの便利さが認知された現在、コロナ問題解消後もテレワークを継続する企業も多いです。

そして、テレワークが導入され、自宅で仕事をすることになった方は、防音工事を検討するのがオススメです。なぜなら、日本の住宅というのは、「家で仕事をする」ということが想定されずに建てられています。先述のように、日本政府が在宅勤務を推奨していたのに、多くの企業は導入しなかったという歴史がありますし、一般的な住宅は、どちらかというと家族のプライバシーよりも、コミュニケーションを取りやすい間取りが取り入れられています。
そのため、コロナ問題により、突然テレワークが導入されたという方の中には、ご家族間で音の問題を抱えてしまうケースが増えていると言われているのです。例えば、昼間に仕事をしている時に、家事の音で集中力を乱されてしまう、その逆に、Web会議の声に家族がイライラするなどと言った音の問題が考えられます。この他にも、住宅の立地条件によっては、昼間の自宅周辺の騒音が侵入してきて、仕事に集中できない…という音の問題が考えられます。

こういったことから、賃貸住宅業界などでも、コロナ禍以降、物件探しを行う際の条件として「物件の防音性」を重視する方が増加していると言われています。さらに、新築業界では、防音室付きの建売住宅が販売されるようになっているなど、コロナ禍以降は住宅に求められる防音性能が急激に高くなっているわけです。ちなみに、既存住宅の場合、こういった音の問題を解消するためには、専門業者による防音工事を施すしかないでしょう。阪神防音にも、以下のような防音工事のお問い合わせが増えています。

外からの音の侵入を防ぐため、二重窓にしたい
天井、もしくは床の防音工事を行いたい
テレワーク用に、簡易的な防音室を作ってほしい

小さなお子様がいるご家庭

マンション等、集合住宅に住んでいる方で、小さなお子様がいる場合は、防音工事を検討する方が増えています。近年、都市部では、マンション暮らしの方が増えていると言われているのですが、集合住宅は各家庭の生活空間が近い、構造物でつながっているなどと言った理由から、子供が家の中を走り回る、飛び跳ねるといった足音で、階下の方と騒音トラブルを抱えるケースが増えていると言われています。もちろん、足音に関する音の問題は、コロナ以前からあったのですが、テレワークにより在宅時間が長くなったことで、さらに増加しているといった状況になっています。

例えば、今までは昼間に子供が騒いでも、階下の方は在宅していなかったことから問題にならなかったものの、テレワークにより昼間も在宅することになり、苦情を言われるようになる…なんてケースが考えられます。小さなお子様は、口で静かにするように言ってもなかなか生活態度が一変するといったことはありませんし、親としては自宅の中ぐらい自由に過ごさせてあげたいと考えるものでしょう。

したがって、こういった音の問題を抱えたケースでは、専門業者による防音工事で、階下に足音などが伝わらないようにするのがオススメです。足音以外にも、子供の夜泣きや大きな声で騒ぐ声などについても、防音工事で対処することが可能です。ちなみに、お子様の騒音問題については、お子様の足音や泣き声ではなく、親が子供を叱りつける時の声が最も不快という声が多いので注意しましょう。こういった音の問題については、以下のような対策が有効です。

足音が響かないように床の防音工事を行う
窓からの音漏れを防ぐため内窓を設置する

※こういった音の問題は、「子供の騒音ぐらいしょうがない」と考える方がいるのですが、裁判沙汰にまで発展し、騒音主側に損害賠償が命じられた事例もあるので注意してください。

ペットを飼い始めた方

コロナ問題により、在宅時間が長くなったことで、犬や猫などのペットを飼い始める方が増えていると言われています。最近では、ペット可のマンションなどが増えていることもあり、集合住宅に住んでいる方も、気軽にペットを飼うことができるようになっています。

ただ、注意が必要なのは、ペットの飼育は近隣との騒音トラブルの危険性が急激に高くなるということです。例えば、犬の鳴き声は100dB程度の大きな音量となりますので、しつけで無駄吠えをキチンと押さえなければ、すぐに苦情を言われてしまうことでしょう。この他にも、ペットの足音は、皆さんが考えている以上に騒音トラブルの危険性が高いです。犬や猫は、人間よりも体重が軽いので、階下に足音が響く可能性は低いと考えてしまっていませんか？実は、犬などの足音は、人間の足音のような衝撃音が問題となるのではなく、爪がフローリングに当たってカチャカチャ言う音が問題となるケースが多いです。ちなみに、猫の場合は、高所で過ごすことが好きな生き物なので、高い場所から飛び降りる時の衝撃音が響くこともあるようです。猫は夜行性の生き物なので、深夜や早朝に一人遊びすることで、騒音を出すケースもあるので注意しましょう。

初めてペットを飼う方は、こういった音の問題が生じることを知らずにペットを迎えるケースが多いのですが、騒音トラブルを防ぐには、以下のような防音対策が必要と考えてください。

爪音が響かない床材に交換する（遮音フローリングやカーペット）
窓からの音漏れを防ぐため内窓を設置する
壁の中に防音材を設置する

楽器の演奏を検討している人

これは、コロナ問題関係なく、防音工事が必要なケースです。楽器の演奏は、非常に大きな音が生じますので、防音室などを用意せずに時間帯を気にせず演奏すると、ほぼ確実に騒音トラブルに発展するでしょう。

自宅で楽器の演奏を検討しているというばあいは、専門業者による防音室工事を行うか、ユニット型防音室を設置する必要があると考えてください。

防音工事することで得られるメリット

それでは最後に、音の問題を解消するため、防音工事を行うことで得られるメリットについて解説します。

メリット1　騒音に関する苦情を防止できる

防音工事を行うメリットは、音が原因となる騒音トラブルを防止できるという点です。上でご紹介したように、コロナ禍以降、人々の在宅時間が長くなっています。今までは、昼間は出勤していて家にいないという状況だった方が、テレワークなどで在宅するようになり、上の階の足音などで悩むという事例が多くなっています。騒音に関する問題は、やはり騒音源側が何らかの対処をしなければならないものですので、音に関する苦情があった時には、音を出さないようにするしかありません。しかし、足音が響かないように、静かに過ごすとか、子供に声を出さないようにさせるなどは現実的ではありませんよね。

防音工事は、苦情の原因となっている音に対して、適切な対策を施すことができ、近隣住人との騒音トラブルを防止することが可能です。

メリット2　ストレスなく生活できる

防音工事を行えば、自分が生じさせた音で、近隣の方に迷惑を掛ける心配が少なくなります。例えば、本格的な防音室を作れば、自宅で楽器の演奏やカラオケなども楽しむことができ、在宅時間が長くなった状況でも、ストレスを感じることなく生活できるようになります。

特に、小さなお子様がいる子育て世帯では、赤ちゃんの夜泣きや子供が騒ぐときの音で「近隣からクレームが来たらどうしよう…」と不安に感じ、それがストレスでノイローゼのようになる方もいると言われています。防音工事は、こういった音の問題を解消してくれますので、多少の音が生じたとしても気にせずに生活でき、ストレスを感じなくて済むという点が大きなメリットになるでしょう。

まとめ

今回は、防音工事の実施を検討したほうが良いケースと、実際に防音工事を行った時に得られるメリットをご紹介しました。

自宅で楽器の演奏をしたい、カラオケを楽しみたいなど、ご近所さんに迷惑をかけると想定される場合であれば、考えるまでもなく専門業者に防音工事を依頼する方が多いです。しかし、この記事でご紹介したような、生活音が原因となる音の問題については、自分が騒音源になっていることすら気付けていない方が意外に多いです。特に、足音の問題については、本当に気付きにくい問題で、今現在も階下の住人さんに迷惑をかけてしまっている方もいると思います。

こういった生活音に対する防音工事については、どうしてもコストが気になってしまうと思います。ただ、生活音対策の防音工事は、そこまで多額の費用がかかるわけではありませんので、まずは防音工事会社に相談してみてはいかがでしょうか？