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ピアノやカラオケ用の防音室を作りたい!優良業者を見つけるための見積書の確認ポイント

多くの方は、専門業者によるピアノなどの楽器用防音室やカラオケ用の防音室を作るといった防音工事は初めての経験となります。そのため、防音工事業者から見積書を提出されたとしても、何を確認すれば良いのか分からず、工事の総額だけで比較検討するといった失敗をするケースが多いのです。

ピアノなどの楽器防音室やカラオケ用の防音室を自宅に作るまでの工事となると、200万円以上のコストがかかるのが一般的で、決して安くない出費が必要になります。そのため、ほとんどの方はインターネットで「ピアノ 防音室」や「カラオケ 防音室」など言ったキーワードで検索し、複数の業者に現地調査と見積りをしてもらうことになります。稀に、何度も現地調査の相手をするのが面倒に感じるのか、最初の段階で一社に絞って見積り依頼をする方がいるのですが、防音工事の適正価格を知らない方であれば、この方法は絶対にやめた方が良いでしょう。防音工事は、どのような建物に対策を施すのか、防音室を作る現場周辺の環境騒音はどれほどなのかなど、お客様ごとに必要な対策が変わることから、他の業界のような定価というものがありません。したがって、全く費用相場が分からない人が一社だけの見積りを取っただけであれば、提示された見積り内容が適正かどうかが分からないのです。極端に言えば、相手が詐欺業者だったとしても、それに気づくことができずに詐欺被害にあってしまう可能性があるわけです。

複数の業者から見積もりを取っておけば、自分の要望を叶えるためにどのような対策が必要で、いくらぐらいかかるのか、ある程度正確な予想ができるようになります。したがって、防音工事を業者に依頼する際には、最低でも3社程度に見積もりを依頼し、提示された設計と見積り内容を比較検討する必要があると考えてください。当コラムでは、複数の見積りを提示してもらった時、優良業者を選ぶための確認ポイント解説します。

防音工事の見積書の確認ポイントについて

自宅にピアノなどの楽器防音室やカラオケルームを作ろうと考えた時には、近隣の方に配慮するため、高性能な防音室を作らなければいけません。そのため、防音工事の専門業者に防音工事を依頼することになるのですが、一般的な防音室完成までの流れは、以下のような感じになります。

  • STEP1 インターネットなどで近くの防音工事業者を検索する
  • STEP2 3社程度の防音工事業者に問い合わせを行う
  • STEP3 防音工事業者に現地調査を行ってもらう
  • STEP4 防音工事業者から提案書と見積書を提示してもらう
  • STEP5 防音工事業者の提案を比較検討し、1社に絞る
  • STEP6 防音工事会社と契約し、防音工事を行う

この流れの中でポイントとなるのが「STEP5 防音工事業者の提案を比較検討し、1社に絞る」です。正直な話、防音工事の成否は、防音工事の正しい知識を持つ優良業者を選べるかどうかにかかっており、この部分で失敗してしまうと、どれだけ高いお金を支払ったとしても満足のいく性能を持つ防音室に仕上がらない可能性が高いです。

防音工事は、一般の住宅リフォームと比較しても、非常に専門性が高い工事となるため、「見積書の中身なんて素人が見ても分からない!」と考え、総額の安さで業者選びをしてしまう方が珍しくありません。当然、お客様からすれば、「安い」というポイントは非常に大きなメリットになるとは思います。しかし、その安さがどのようにして実現しているのかをしっかりと見極めなければ、最終的に性能が低い防音室が出来上がるなど、防音工事の失敗に繋がるのです。

防音工事は、何よりも重視しなければならないのは、施工費の安さではなく、音の問題を解消できるかどうかのはずです。そこでここでは、防音工事の見積書から、優良業者を見極めるためのポイントを解説します。

「一式」表記を多用する業者は注意が必要

防音工事に限らず、住宅リフォームなどの見積書では、工事の内容を記載する際に「一式」表記される項目が必ずあります。これは、どのような業界でも「一式」表記が行われていますので、この表記方法を採用している業者全てが悪徳というわけではありません。しかし、見積書を確認した時には、工事の内容やどのような材料が使用されるのか分からないレベルで「一式」表記が多用されている場合は、注意が必要です。

ちなみに、住宅リフォームなどの見積書は、概算見積書と正式な工事見積書の2種類が存在します。概算見積書は、現地調査当日などに大まかな費用感を伝えるために提示するもので、工事の詳細がまだ決まっていない状況ですので、ここに一式表記が多用されるのは問題ありません。ただ、施工計画がきちんとでき、その工事を行うためにいくらかかるのかという正式な工事見積に一式表記が多用されるのは見積書の目的が果たせないため、本来はあり得ない話なのです。見積書というのは、「どのような作業を行い、どういった建材を使用し、どこにお金がかかるのか?」をお客様側が一目で分かるようにするために作るものです。それなのに、見積書を確認しても、お客様が工事のイメージすらできない…なんてことになると、その見積りは意味をなさないわけです。

ただ、正式な工事見積書であっても、以下のような目的で一式表記を多用する業者がいるのも事実です。

  • 見積り作成にかかる手間と時間を削減するため
  • 曖昧にしておきたい項目が存在する
  • 顧客に詳細を突っ込まれないようにするため

一式表記が多い見積書は、簡単に言うと、業者側が手抜きをしたい、顧客に隠れて自社の利益を増やしたいと考えて行う場合が多いです。もちろん、一式表記が多くても最終的に希望通りの防音室が出来上がるのであれば問題ないと思いますが、見積りの段階で手抜きをするような業者の場合、工事を丁寧に行うとは考えられませんよね。したがって、こういった一式表記を多用する業者は基本的に候補から外すのがおすすめです。

なお、見積書の内容について、多少は一式表記があってもおかしくはありません。一式表記の部分が何を意味しているのか気になった場合、業者に質問してみましょう。それに対してきちんと納得できる回答をくれる業者であれば安心して工事を任せられると思います。

防音工事の結果を保証してくれるか?

防音工事は、通常の住宅リフォームと異なり「音の問題を解消する」という大きな目的が存在しています。一般的に、リフォームの見積り比較は、「総額の安さ」を重視する場合が多いのですが、防音工事の場合は、いくら施工費が安くなったとしても音の問題を解消できなければ何の意味もありません。ピアノ室やカラオケルームなど、防音室を作る工事の場合は、「隣家に音で迷惑を掛けないようにする」というのが大きな目的ですので、見積り比較をする際には「音の問題を解消できる提案の中で最も安い業者」と言った感じに「防音性能>工事費の安さ」という優先順位を守るようにしてください。

それでは、防音性能を考慮して、業者の比較検討をする場合に業者選びに失敗しないようにするには、どうすれば良いのでしょうか?これについては、「防音工事により実現する性能を数値化して保証してくれるか?」が重要です。
防音工事を専門としている業者であれば、工事の提案書と見積書を提示する際、「遮音等級D-55(数値が大きいほど遮音性が高いです)」や「隣の部屋の騒音レベルが35dB以下(数値が小さいほど音が小さいです)」など、防音工事による性能をきちんと数値化したうえ、性能保証をつけてくれているはずです。こういった防音工事の性能保証は、全ての業者が行っているわけではなく、工事に自信がある業者のみが行っているのです。防音工事の性能保証を行うということは、工事前後にきちんと騒音レベルの測定を行い、契約通りの性能を発揮しているのか調査する必要があります。当然、防音工事業者からすれば、手間もコストも増えてしまいます。さらに、契約時の性能を発揮していない場合、手直しが必要になるなど、業者にとってはない方が良い部分ではあるのです。

ただ、お客様が大金をかける目的は、「防音性能」な訳ですので、まともで防音工事に自信を持っている業者はきちんと性能保証を行ってくれます。

提案や見積りの詳細について明確な説明をしてもらう

最後にポイントは、非常に重要な割に多くの方が見落としているポイントです。というのも、防音工事は、通常のリフォーム工事とは異なり、専門性が非常に高いことから、お客様側が「素人が口を出すのもな…」と考え、業者からの提案や見積りの詳細について、不明点があったとしてもそれを放置して話を進めるケースが多いのです。

何度も言いますが、防音工事は、お客様が抱えている音の悩みを解消することが最も大切な目的ですので、きちんとあなたの要望通りの防音工事になっているのかは、その詳細まで確認すべきです。ちょっとでも疑問に思うことがあれば、その場で業者に質問し、あなたが納得できるまで確認すべきです。住宅リフォームのトラブルは、事前の確認を怠ったことで、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔するパターンが非常に多いです。要は、業者側と顧客側に認識のずれが生じてしまい、トラブルになってしまう訳ですね。

ちなみに、業者側に見積書や提案書の内容について質問した際、「自分は営業担当だから工事の詳細は分からない…」など、あいまいな対応やしっかりとした答えが貰えない場合、その業者は候補から外すのがおすすめです。
防音工事に関する知識が無い人間が現地調査や打ち合わせを行っている場合、あなたの要望が正確に伝わっているのかすら分かりません。まともな業者であれば、現地調査の段階から熟練の職人がお伺いし、どのような対策が必要なのか、お客様の要望を叶えることができるのかを判断します。これを行わない業者は、防音工事に関する専門家がいないと考えられるので、そういった業者に工事を任せるのは危険です。

まとめ

今回は、防音工事を成功させるため、非常に重要なポイントとなる見積書の確認すべき点を解説しました。この記事内でご紹介しているように、防音工事は、非常に専門性が高い工事のため、見積書や提案書を提出してもらっても、その詳細を確認せず業者に丸投げするという方が非常に多いです。そして、内容が良く分からないからと、見積り金額の総額の安さで比較検討し、防音工事に失敗してしまう訳です。

もちろん、リフォーム工事にかかるコストについては、誰もが安ければ安いほど好ましいと考えると思います。しかし、いくら安くても、目的を達成できないのであれば何の意味もない安さになるのです。特に、防音工事は「周辺に音で迷惑をかけないようにする」など、明確な目的がありますので、工事にかかる金額以前に「目的を達成できるのか?」を重視するのがおすすめです。

なお、防音工事業者の技術については、業者が用意している防音体験ルームなどを確認することも有効です。防音工事を専門としている業者であれば、モデルルームを用意していますので、見学できるか確認してみましょう。モデルルームを用意していない業者は、防音工事を専門としているとは思えません。