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防音効果のある身近なものとは?部屋を防音したい時、簡単に対策できるアイテムをご紹介

今回は、身近にある防音効果を期待できるアイテムについて、その使い方と期待できる効果を解説していきます。

部屋を防音したいと考えた時には、専門業者による防音工事が最も効果が期待できる手法となります。例えば、自宅で楽器の演奏を考えている、ホームシアターやカラオケなど、大きな音が出る設備の導入を考えているという場合、コストがかかるとしても本格的な防音工事を行わなければならないでしょう。
しかし、抱えている音の問題が「お隣のTVの音が気になる…」「子供の足音で迷惑をかけていないか不安…」と言った感じに、ちょっとした生活音の問題の場合、専門業者に防音工事を依頼するのは、ちょっと大事にし過ぎかな…と考えてしまう方が多いです。近年では、さまざまな防音アイテムが簡単に手に入れられるような時代になっていますし、ちょっとした音の防音を考えた時には、自分で簡単に対策ができるアイテムを知りたいと考えるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、日常生活の中で多くの人が悩む可能性がある音の問題について、簡単に防音対策ができるアイテムをご紹介します。

防音工事を迷うレベルの音の問題とは?

私たちが日常生活を進める上では、さまざまな音の問題が考えられます。どのような方でも、普通に生活しているだけでさまざまな音を生じさせることになりますし、音の問題については、被害者にも加害者になり得ると考えて、近隣住民に迷惑をかけないように心がけるべきです。

ただ、大きな音を生じさせないように注意して生活をしていたとしても、完全に無音で生きていくことなど誰にもできません。そのため、何らかの防音対策を検討しなければならない場面がいつやってきてもおかしくないのです。特に現在では、マンションなどの集合住宅で生活する人が増えていることや、戸建てでも家と家の距離が近くなっていることから、近隣の方の生活音で悩まされてしまう…というケースが多くなっているようです。例えば、以下のような音の問題が考えられます。

  • 上の階に住む人の足音が気になる
  • 隣の住人と生活習慣が異なるため、TVの音や会話の声で眠れない
  • 近所の方が飼っているペットの鳴き声がうるさい
  • 深夜に排水音が聞こえてきて起こされてしまう
  • 目の前が公園で、子供の騒がしい声が気になる
  • お隣の掃除機や洗濯機の音で赤ちゃんが昼寝出来ない

コロナ禍以降は、テレワークが導入され、昼間も在宅で仕事をする方が増えていて、外部騒音で仕事に集中できない…と言った悩みを抱える方が増えているようです。また、マンションなどの集合住宅では、生活空間が近いため、本当にちょっとした生活音が原因となり、騒音トラブルに発展してしまう…というケースが増えています。

それでは、こういった音の問題は、どのようにして解消すれば良いのでしょうか?もちろん、防音工事の専門業者に相談すれば、何らかの解決策を提示してくれるはずですが、やはりそれなりのコストがかかってしまうため、このレベルの音の問題で防音工事に踏み切る決断がなかなかできないという方も多い事でしょう。防音工事業者に依頼すれば、窓や壁の防音工事、床の防音工事などを施すことで、生活音に関する音の悩みを解消できますが、数十万円単位のコストがかかってしまいます。実は、こういった音の問題について、身近にある防音効果のある物で対策を施すことも可能なのです。次項で、「専門業者に依頼するほどの音ではないけど、部屋を防音したい」と考えている方に向け、自分で簡単に対策が施せる防音アイテムをご紹介します。

音漏れ・騒音を防ぐための防音アイテムとは?

それでは、生活音レベルの騒音問題を自分で解決しようと思った時、どのような防音アイテムがあるのか代表的な物をご紹介していきます。近年では、ホームセンターやネット通販で防音対策グッズが販売されるようになっていますので、ちょっとした音の防音対策ならご自身でも可能な時代になっています。

足音対策なら防音マット・カーペット

集合住宅で生活する場合、足音で上下階の住人さんが騒音トラブルを抱えるというケースが多いです。特に、小さなお子様がいるご家庭の場合、室内を走り回る、ソファーなどから飛び降りる時の衝撃音が階下に伝わり、苦情を言われる可能性があります。その他にも、椅子を引きずる音や、硬質の物を床に落とした時の音が階下に響き、ストレスを与える可能性があります。

このような上下階の音の問題については、防音マットやカーペットを敷くことで対策を施すことが可能です。防音仕様のカーペットなどは、通常の物よりも厚みがあり、足音などの振動を伝えにくくしてくれます。賃貸住宅などに住んでいる方で、床材を張り替えるなど、本格的な防音工事が難しい方におすすめです。

なお、防音を謳ったマットやカーペットを敷けば、完全に足音が防げるわけではないのでその点は注意してください。特に、家の中を走り回る、高い場所から飛び降りるといった時の衝撃音については、カーペットだけで防音するのは難しいです。念入りに防音したい場合は、防音マットを敷いて、その上にカーペットを敷くなど2重の対策を行うと良いでしょう。

窓やドアの隙間を埋める隙間テープ

外部からの音の侵入は、窓の防音性の低さが要因になっている場合が多いです。窓は、きちんと閉めていれば音を遮ってくれると考えがちですが、そもそも壁などと比較すると非常に薄い素材ですので、高い防音性を持っているわけではありません。また、窓は換気のために開閉を行う必要がありますので、利便性を考慮して閉めている時も小さな隙間が生じるような構造になっています。つまり、そういった窓の隙間などから外部騒音が侵入してきてしまう訳です。

さらに、室内ドアに関しても、きちんと閉めていても換気がなされるように下部に隙間が生じるような構造になっています。ご家族間の騒音問題は、こういったドアの隙間から音が出入りするのが原因となる場合が多いです。

こういった窓やドアの防音対策では、市販の隙間テープを使って窓、ドアの隙間を埋めるのが効果的です。隙間テープは、窓枠やドア枠に貼り付けることで、閉めた時に生じる隙間が潰されるようになっています。したがって、窓からの音の侵入やドアからの音漏れを防いでくれるという効果が期待できます。

窓に防音カーテン

窓部分の防音対策では、カーテンを防音カーテンに交換するという対策も有名です。市販されているカーテンの中には、防音仕様のカーテンというものがあり、窓からの音の侵入を軽減してくれるのです。上述しているように、そもそも通常の窓は、素材的に薄い・隙間が生じる構造になっているなど、防音性能はそこまで高くありません。もちろん、防音仕様の窓も販売されていますが、一般の賃貸住宅やマンションなどに導入されているケースは非常に少ないです。

したがって、窓部分の防音性を補強する目的で、カーテンを防音カーテンにするという対策が有効なのです。なお、防音カーテンは、通常のカーテンよりもかなり重量があるので、高品質な防音カーテンを導入する場合、カーテンレールごと交換する必要があります。
防音カーテンが持つ効果については、以前別の記事で詳しく解説していますので、以下の記事もご参照ください。

関連:防音カーテンって本当に効果があるの?防音カーテン購入前に知っておきたいポイント

壁の対策ならパネル型防音材

賃貸住宅の場合、お隣からの音が気になったとしても、壁の防音工事を行うことなど基本出来ません。そのため、壁ドンなどをして隣り合う住人同士がトラブルになってしまったりするわけです。

ただ最近では、ホームセンターなどでも吸音パネル・遮音パネルなどと呼ばれる、壁用の防音グッズが販売されるようになっています。これらは、音の侵入が気になる境界壁に取り付けたり、自分が音で迷惑をかけないようにテレビやステレオを囲むようにパネルを設置し、騒音問題にならないようにするアイテムとなります。なお、防音用のパネルは、以下のような種類があります。

  • 吸音パネル
    主にロックウールやグラスウールが使用されたパネルです。最近ではフェルトで作られているものも多く、“取付けやすい・軽い・吸音”の3つを実現しています。
  • 遮音パネル
    コンクリートや木材、金属、石膏ボードなどのから作られていて、遮音シートよりも厚く、重いのが特徴です。遮音効果は、重ければ重いほど、さらに密度が高いほど高くなります。
  • 防音パネル
    吸音パネルと遮音パネル、両方の性能を保持したものです。注意が必要なのは、防音パネルと記載されているのに、中身が吸音パネルとなっている物がある点です。

近年では、賃貸住宅用に、既存の壁に傷をつけずに設置できるタイプが登場しています。

壁の音漏れ対策ならウレタンスポンジ

表面に凹凸があるウレタンスポンジをホームセンターなどで見かけたことがあるのではないでしょうか?実はこのアイテムは、壁に貼り付けておくことで、室内で発生した音を吸音してくれるという効果が期待できるのです。

ウレタンは多孔質系で、素材の中には小さな穴がたくさん存在しています。そして、その小さな穴に音が入ると、熱エネルギーに変換され音が吸収されるという仕組みになっているのです。特に、高音域を吸収する力が強く、話し声やペットの鳴き声対策としては非常に効果的です。また、動画配信の際の声を外に漏れにくくする対策としても有効です。

防音材は、本来、重ければ重いほど効果があるとされているのですが、ウレタンは非常に軽量な割に効果を期待できます。さらに、ハサミなどでも簡単にカットできるので、ご自身で対策を施すときには非常に重宝すると思います。

換気口の対策として防音スリーブ

現在では、法律で24時間換気が義務付けられているため、どのような住宅でも壁に換気口が開けられています。つまり、壁や窓の防音対策をいくら行っても、換気口を放置してしまうと音が出入りし放題になってしまう訳です。

音は、空気の振動で広がっていくものですので、空気を取り入れるための換気口は絶好の侵入口となります。我々のような防音工事業者が防音室を作る場合、防音仕様の換気扇を設置するのですが、一般住宅の場合は通常の物が設置されているはずです。

したがって、外部騒音の侵入が気になる時には、換気口の防音対策を行いましょう。換気口の防音対策では、防音スリーブと呼ばれるアイテムがあり、換気口の中にこれを詰めるだけで完了です。大きさがいろいろと用意されているので、換気口の穴の直径を計測し、ちょうどはまるものを購入すると良いでしょう。

まとめ

今回は、防音工事の専門業者に頼むまでもないと考えられる、生活音の防音対策について解説しました。私たちが日常生活を進める上では、さまざまな騒音が周囲に存在していて、時には些細な音で近所の方とトラブルになってしまうことがあります。もちろん、専門業者に相談すれば、どのような音の問題でも解消してくれるはずですが、生活音の防音対策となると、コストパフォーマンスが悪いのではないか…と考えてしまう方が多いです。

このような場合、上述したようなアイテムを利用して、ご自身で対策を施すことも不可能ではありません。ホームセンターやネット通販を利用すれば、防音対策アイテムを手に入れることができる時代になっていますので、防音工事の前に自分で対策を施してみるのも一つの手だとは思います。

ただ、記事内で紹介したアイテムは、あくまでも簡易的な対策にしかなり得ません、実際に、それなりの費用をかけて自分で対策を行ってみたものの、音の問題が何も解消されなかった…なんて声を聞く機会も少なくないのが実情です。何らかの理由で、急いで音の問題を解消したい場合は、専門業者に相談するのがおすすめですよ。

関連:防音室は自作で出来る?防音効果があると言われるダンボール防音室の作り方について