ペットの室内飼いは騒音トラブルの原因になる!戸建てのペット騒音対策をご紹介!
今回は、戸建て住宅で犬や猫などのペットを飼育している方がおさえておきたいペット騒音に対する防音対策をご紹介します。
ペットによる騒音トラブルと聞くと、マンションなどの集合住宅で、ペットの足音が原因でトラブルになる、戸建ての場合は屋外に繋いでいる犬の鳴き声が近隣の方に迷惑をかけるといったことをイメージする方が多いと思います。近年では、戸建て住宅に住んでいる方でも、屋内でペットを飼うのが一般的になっています。大型犬なども室内飼いする方が増えているため、戸建てなら鳴き声が近隣の方に迷惑をかけることはないと考えてしまう人が多くなっているようです。
最初に行っておきますが、犬や猫などのペットを室内飼いしたとしても、騒音トラブルを完全に防げるというわけではありません。特に、都市部の戸建て住宅は、隣家との距離が非常に近くなっているため、ちょっとした生活音が原因となり、隣人同士が騒音トラブルになる…なんてケースが非常に多くなっています。犬の鳴き声は、100dBを超えるような大きな音量となるため、きちんとしつけができていなければ、室内飼いであっても音の問題を普通に抱えてしまうことになるのです。
そこでこの記事では、戸建てにおけるペットの室内飼いで考えられる騒音トラブルの原因と対策について解説します。
戸建てでペットの室内飼いをする際の音の注意点
それではまず、戸建て住宅に住んでいる方が、室内でペットを飼う場合の音の注意点を解説します。冒頭でご紹介したように、ペットによる騒音トラブルは、屋外に繋いでいる犬の鳴き声や部屋同士が繋がっている集合住宅で、ペットの足音が問題になると考える方が多いです。そのため、建物が独立している戸建住宅なら、室内で大型犬を飼育しても騒音トラブルの心配はないと考える方が多いのです。
しかし、この考えは大きな間違いで、以下のような音が原因となり隣人との騒音トラブルが発生する可能性があります。
ペットの鳴き声
室内でペットを飼育していたとしても、ペットがちょっとしたことで鳴き声を上げる…なんて場合は、その鳴き声で騒音トラブルに発展する場合があります。なぜなら、日本国内で人気のペットである犬や猫の鳴き声は、皆さんが考えている以上の音量となるからです。
- 犬の鳴き声・・・約90〜100デシベル
- 猫の鳴き声・・・約75dB
上記のように、犬の鳴き声はピアノなどの楽器の音量に匹敵するレベルの音になります。猫の場合でも、個体差や鳴き方によるボリュームの大小はありますが、約75dBの音量と、寝ている人を起こしてしまうほどの音量となるのです。一般的に、人が日常生活で静かであると感じる音の大きさは45dB以下で、不快に思わない音量の目安は40~60dBとされています。もちろん、これはあくまでも目安の話で、音を聞いている人の状況によって不快に感じるレベルは変わります。
ただ、どちらにせよ、犬や猫の鳴き声は、人が不快に感じるレベルの音量を十分に超えているため、頻繁に鳴き声をあげるといった状況になれば騒音トラブルの可能性を否定できないでしょう。
ペットの足音
実は、戸建てでペットを室内飼いする場合でも、足音が騒音トラブルの原因となることがあるのです。足音による騒音トラブルは、マンションなどの集合住宅で発生するもので、建物が独立している戸建て住宅は関係ないと考えている方が多いと思います。しかし実は、近年の新築事情が要因となり、人やペットの足音で騒音問題が発生するケースが増加しているのです。
にわかには信じられない…と感じる方がいるかもしれませんが、戸建てでの足音問題については、つい先日TV番組で取り上げられていて、それを見てびっくりした…という方も多いのではないでしょうか?TVで放送された内容を簡単にご紹介すると、5軒の家が隣接する分譲住宅にて「夜になるとドンドンという謎の音が聞こえる」という相談が番組に入り、その調査を行ったというものです。ちなみに、隣り合う5棟の家、全てで音の問題が起きているとのことでした。そして、専門家による調査が行われた結果、ドンドンという音の原因は、なんと2軒隣の家から足音が響いていた…というものでした。実際の映像なども見直し配信サービスを利用すれば確認できると思いますので、興味がある方は視聴してみてはいかがでしょう。
このように、家同士の距離が非常に近くなっている現在では、戸建て住宅でも隣人同士が「足音」を原因とする問題が発生するようになっているのです。小型犬や猫など、体重が軽い動物なら、人間ほどの足音は出ないと考える人もいますが、犬の場合、室内を歩くときにカチャカチャという爪音が響き、それが隣家に伝わってしまう可能性があります。また猫は、人がまだ寝ている早朝に活動的になる動物で、この時間帯に高い場所から飛び降りるなどしたときの、ドンッという衝撃音が隣家に迷惑をかけることがあるのです。
ペットの室内飼いは、皆さんが考えている以上に騒音トラブルの危険性が高いと考えなければいけません。
戸建てのペット騒音対策とは?
それでは、戸建て住宅でペットを室内飼いする際に、近隣住民との騒音トラブルを防ぐためにはどのような対策を行えば良いのでしょうか?ここでは、戸建てのペット騒音対策として有効だと考えられる方法をいくつかご紹介します。
ペットのしつけをする
これは、戸建てや集合住宅、屋外や屋内など、ペットの飼育環境に関係なく、飼い主の義務と言える対策です。犬の鳴き声に関する騒音トラブルを防止する方法として、最も有効と考えられるのはしっかりとしつけを行い、無駄吠えをしなくなるようにするという方法です。
日本国内では、昔から犬をペットとして迎える方が多いのですが、しつけの重要性を理解している方は意外に少ないように思えます。犬も人間の子どもと同じように、小さいな頃からきちんとしつけをしておけば、無駄吠えをしなくなる子が多いのです。もちろん、犬種や犬の性格によって、きちんとしつけをしたとしても、何らかの理由でどうしても鳴き声を上げてしまう子もいます。しかし、最初から「犬は吠える生き物」と言った感じに諦めてしまうのは良くないので、専門家に相談するなどして無駄吠えをしないようにしつけてみましょう。
きちんとしつけをしてみたものの、どうしても無駄吠えがなくならない…という場合は、下で紹介する建物に対する防音対策を施していきましょう。
床の防音対策
ペットの足音による騒音トラブルを防止したい場合は、床の防音対策を検討しましょう。ただ、この場合の床の防音対策は、集合住宅での足音対策のように、床下に吸音材や遮音シートを設置する、二重床にするといった高度なものでなくても構いません。上述したように、ペットの足音が隣家に伝わる場合でも、その音は爪がフローリングに当たる時のカチャカチャと言った音が響いてしまう場合が多いです。つまり、ペットが歩くときにその音が生じないようにすれば良いわけです。
最も簡単で低コストな対策では、ペットの行動範囲を限定して、その部屋はタイルカーペットを敷くなどして、爪がフローリングに衝突しなくするという方法です。これであれば、専門業者による防音工事は不要となるため、コストをあまりかけることなく足音対策が可能です。ただ、行動範囲をあまりに狭くするのは可哀そう…と考える人も多いと思います。この場合、専門業者に依頼して、遮音フローリングと呼ばれる床材を設置すると良いです。フローリングを維持したまま、爪音が生じにくくなるため、足音による騒音問題の心配が少なくなります。
猫が高い場所から飛び降りる音に関しては、着地すると予想される場所に防音仕様のカーペットを敷くという方法程度しかないでしょう。
窓の防音対策
しつけをしてもそれなりの頻度で吠えてしまう…という場合、窓の防音対策が有効です。戸建てでも集合住宅でも同じですが、室内からの音漏れや外部からの音の侵入は、窓の防音性の低さが原因となっている場合が多いです。逆に言うと、この部分の防音性を高めてあげると、犬が鳴き声をあげても、音漏れする量を少なくすることができるため、騒音トラブルの可能性が少なくなるのです。
窓の防音対策については以下のような手法があります。
- 防音カーテンを取り付ける
犬が良くいる部屋の窓に防音カーテンを設置して、音漏れを防ぐという方法です。ただ、防音カーテンは、閉めておかなければ効果を発揮しないので、昼間の鳴き声を防ぐ対策としては適していません。 - 防音ガラスに交換する
窓ガラスにもいろいろな種類があり、防音性を高めた防音ガラスなるものもあります。既存窓ガラスを防音ガラスに交換するとで、ガラスを通過する音が少なくなります。ただ、サッシの経年劣化が進んでいれば、サッシ部分の隙間から音漏れしている可能性があるため、ガラスのみの交換では効果が得られない場合もあります。 - 二重窓にする
既存窓の内側にもう一枚窓を設置する方法です。窓の防音対策としては最も効果が見込めます。ただ、窓が二枚になるため、開け閉めの際は同じ行動を2回しなくてはならなくなります。二重窓による対策は、窓の断熱対策にもなるため、国の補助金が使える場合があるため、低コストで対策が可能です。
ペットの鳴き声対策としては、上記のように、窓部分の防音性を高めるという方法が効果的です。なお、カチャカチャと言った爪音を防ぐにも効果的な方法です。注意が必要なのは、窓の対策を施したとしても、換気口の対策を何も行わなければ、そこから音漏れが生じてしまいます。したがって、窓の防音工事を依頼する際には、換気口の対策が必要かどうかも確認してもらいましょう。
ペット専用の防音室を作る
これは、飼い主さんが外出する際、鳴き声の問題を発生させないように特定の部屋にペットを入れておくといった方におすすめの方法です。ペットを室内飼いする際には、家の中を自由に行き来できるようにする方が多いです。しかし、飼い主さんが外出する時は、イタズラなどをされないように特定の部屋に入れておくという対策をする方は多いです。
この場合、ペットを入れておく部屋を簡易的な防音室にすることで、鳴き声や足音が外に漏れるのを防ぐことができるようになります。特に小型犬などは、飼い主さんが外出する時や帰宅時に限って鳴き声を上げるという場合があるため、その鳴き声で迷惑をかけないようにする対策としても有効でしょう。
まとめ
今回は、戸建てで犬や猫などのペットを室内飼いする際の防音対策について解説しました。現在、ペットを飼っている方の中には、ペットを原因とする騒音トラブルは、集合住宅や屋外に繋いでいるから起きる物で、戸建ての室内で飼育すれば、音の問題は気にしなくても良いと考えている方も多いと思います。しかし、記事内でご紹介しているように、こういった認識は間違いで、室内で飼育しているペットが生じさせる音で騒音トラブルが発生することもあるのです。
特に見落とされがちなのが、足音の問題で、自宅の足音が隣家にまで聞こえてしまう可能性があることを認識している方などほとんどいないと思います。実は、家同士の距離が近くなっている現在では、人の足音が数件隣の家にまで伝わり苦痛を与えてしまっている…なんてケースも普通に存在するのです。犬や猫の足音は、人間ほどの体重がないため、そこまで大きな音にならないと考えられがちですが、人間にはない爪音が生じますので、意外に騒音トラブルの原因になりやすいです。
ペットの室内飼いは、音の問題を抱える心配がないと考えている方も多いのですが、そうではないと認識し、必要な対策をしっかりと行うようにしましょう。