自宅で楽器演奏をお考えの方は必見!楽器の音量を知ると防音工事の必要性がわかる!
私たちが日常生活を普通に進める時には、さまざまな音が存在しています。例えば、人が室内を移動するだけで足音が発生しますし、誰かと会話をすれば話し声が聞こえてきます。そして、こういった誰でも発生させるような音は、時に近隣との『騒音トラブル』の原因になってしまう可能性があります。
もちろん、生活騒音程度であれば、しっかりした建物構造で「音で迷惑を掛けないように」と言ったちょっとした配慮をすることで、騒音トラブルにまで発展するのは防ぐことができます。しかし、自宅でピアノやドラムなどの楽器の演奏を検討しているという方であれば注意が必要です。というのも、楽器が生じさせる音は、皆さんが考えている以上に大きくて、音量的に考えると「確かに騒音と感じられてもおかしくないな…」と納得できるほどなのです。
楽器の音色は、確かに美しいものでヒーリング効果などもあると言われています。しかし、時と場合によっては、その美しい音色でも「うるさい!」と感じてしまう方がいるのを忘れてはいけません。例えば、寝室でリラックスしている、睡眠をとっている時に、近隣住宅から毎日のように楽器の音が聞こえてきた場合、どう思うでしょうか?睡眠やリラックスのための時間を邪魔されるわけですので、どれだけ美しい楽器の音色でも、騒音以外の何物でもないと感じてしまうことでしょう。楽器が生じさせる音量は、生活騒音などとは比較にならないほど大きいので、近隣トラブルを防止するためには、防音工事などの対策が必要不可欠です。
そこで当記事では、環境省などが公表している騒音の基準と、特に大きな音が生じる楽器について、ランキング形式でご紹介します。
騒音レベルと騒音の基準について
音の感じ方は個人差がかなり大きいですので、どのレベルの音から『騒音』と判断するのかの線引きが非常に難しいです。実際に、同じ音を聞いていたとしても、全く気にしない人もいれば、騒音と受け取ってしまう人に分かれることでしょう。
ただ、騒音の基準について線引きが難しいと言っても、何の基準値も設定されていないというわけではありません。日本国内では、環境基本法という法律にて騒音の基準値が設定されていて、住宅地周辺の騒音の目安は45~55dB以上とされています。ただし、音の感じ方は、それを受け取った時の時間帯や環境、季節などによっても異なりますので、各自治体によって独自目安が設定されているケースが多いです。自宅周辺の騒音基準について気になる場合は、お近くの役所などに問い合わせしてみると良いでしょう。
なお、私たちの周りに存在する音について、目安となる騒音レベルをご紹介しておきます。
- 郊外の深夜やささやき声・・・30dB
- 市内の深夜、図書館、閑静な住宅街の昼・・・40dB
- 静かな事務所、家庭用エアコン(室外機)・・・50dB
- 静かな乗用車・普通の会話、洗濯機(1m)、掃除機(1m)・・・60dB
- 騒々しい事務所の中や街頭、セミの鳴き声(2m)・・・70dB
- 地下鉄の車内・・・80dB
- 犬の鳴き声(5m)、騒々しい工場の中、カラオケ(店内中央)・・・90dB
- 電車が通るときのガード下・・・100dB
- 自動車のクラクション(2m)・・・110dB
- ジェット(飛行機)エンジンの近く、落雷(至近距離)・・・120dB
私たちの身近には上記のようなさまざまな騒音が存在しています。そして、住宅地の場合、昼間で55dB、夜間で45dBというのが環境基本法による騒音の基準となります。一般的に、人は50dB程度の音量からうるさいと感じるようになると言われていますので、至近距離での人の会話やエアコンの室外機などが騒音と感じられるのは致し方ないのかもしれませんね。
楽器の音量ランキング
それではここから、大きな音量の楽器をランキング形式でご紹介していきます。
10位 チェロ(最大音量:87dB)
楽器の音量ランキング第10位は、弦楽器のチェロです。バイオリンなどと比較すると、あまり身近な弦楽器ではありませんが、87dBもの最大音量を持っています。上で紹介した騒音レベルで考えると、至近距離での犬の鳴き声や騒々しい工場の中の音量に匹敵します。
第10位に位置する楽器でも相当の音量になるということが分かります。工場から発生する大きな音は、騒音以外の何物でもありませんし、それに匹敵する音量となるチェロは、自宅で防音対策もせずに演奏した場合、騒音トラブルになる可能性が高いでしょう。
9位 ヴァイオリンやギター(最大音量:90dB)
第9位も、ヴァイオリンやギターと弦楽器がランクインします。音量的には、チェロをちょっとだけ上回る程度に感じますが、デシベルが1dB増えると音量は1.12倍になると言われていて、3dB違うと1.4倍も大きくなるのです。
ヴァイオリンは、難聴になりやすいと言われているのですが、これは工場騒音レベルの音量を耳のすぐそばで聴くことになるからだと言われています。当然、これだけ大きな音が発生するヴァイオリンやギターも、何の対策もなしに自宅で演奏した場合、騒音トラブルに発展するでしょう。
8位 フルート(最大音量:92dB)
第8位は、木管楽器の一種であるフルートです。ちなみに木管楽器と金管楽器の違いについては、また別の機会にご紹介します。
フルートは、繊細で非常に美しい音色の楽器というイメージを持つ方が多いのですが、最大音量は騒々しい工場レベルの92dBに達します。つまり、騒音トラブルとは程遠い楽器とは決して言えなくて、自宅で演奏する時には、防音対策が必要不可欠です。
7位 チューバ(最大音量:97dB)
チューバは、あまり聞き馴染みが無い楽器かもしれませんが、金管楽器の一種で、大型の低音金管楽器に分類されます。
音量的には、ほぼ100dBに達するほど大きな音が出ます。これほどの音量となると、近くで演奏されると、日常会話ができなくなるレベルです。自宅で演奏する時には、防音室など本格的な防音工事が必要です。
6位 クラリネット(最大音量:98dB)
楽器の中でも非常に有名なクラリネットが音量ランキング第6位に位置します。クラリネットは、木管楽器に分類され、木管楽器の中でも音量の幅を最も大きく変えられるという特徴を持っています。
なお、管楽器は、オーケストラの中にあっても、音が埋もれないようにすることが大事で、そのためにどの楽器も大きな音が出せるようになっています。したがって、一般の住宅街にて、防音対策を施さないまま管楽器の練習をすると、騒音をまき散らすことになります。
5位 トロンボーン・ホルン(最大音量:106dB)
ここからいよいよ最大音量が100dBを超えていきます。上述した、身近に存在する騒音のレベルで言えば「電車が通るときのガード下」と同レベルな訳ですので、かなりの騒音に感じる音量です。
第5位は、金管楽器の一種であるトロンボーンです。ちなみに、トロンボーンという名称は、「大きいトランペット」といった意味合いがあるそうです。トロンボーンは、プロの方が演奏する場合、最大で106dBもの音量が出る楽器です。このレベルの音量となると、人が「きわめてうるさい」と感じる音量ですので、防音工事などをせずに自宅で演奏した場合、すぐに騒音トラブルに発展すると思います。
なお、同じ金管楽器のホルンも最大音量が106dBです。ホルンは、重厚感のある音の響きが特徴で、音が出る部分が横を向いていることから、オーケストラの中にあっても、きちんと存在感を出すために大きな音が生じる必要があるとされています。したがって、ホルンも自宅で演奏する場合、防音工事が必要不可欠です。
3位 グランドピアノ(最大音量:107dB)
音量ランキング第3位は、楽器の中でも特に身近なグランドピアノです。非常に美しい音色が特徴の楽器で、お子様の情操教育に最適と言われていることから、小さな子供の習い事としては非常に高い人気を誇っています。ただ、非常に身近な楽器であるピアノは、皆さんが考えている以上に騒音トラブルの原因になりうるリスクがあると考えてください。
グランドピアノは、プロのピアニストが演奏した際には、なんと107dBもの音量になると言われています。ただ、ピアノは演奏者の力量によって音量がかなり変わるのも特徴で、一般の方や子供がアップライトピアノを演奏する場合、90dB前後の音量と言われます。もちろん、90dBは十分に騒音レベルの音量ですので、「この程度だから対策はいらない」なんて考えないでください。
なお、ピアノは、耳に聞こえる空気音だけが問題になるのではなく、ピアノの足から振動が伝わり、階下の人に振動音で迷惑を掛けてしまう…なんてことが多いです。つまり、消音機などで対策したとしても、騒音トラブルの危険が残ります。
2位 トランペット(最大音量:108dB)
大きな音が出る楽器と聞いて、真っ先にイメージするのがトランペットという方は多いのと思います。そして、実際に最大音量が108dBに達するなど、非常に大きな音が生じる楽器です。
トランペットの音は、至近距離で自動車にクラクションを鳴らされるのとほとんど変わらないレベルの音量になります。つまり、自宅で何の対策もしないままトランペットの練習をしていれば、周囲に住んでいる人からすると、常にクラクションを鳴らされている感覚になってしまうことでしょう。マンションや住宅密集地でトランペットの練習をする場合、防音室が必要不可欠です。
1位 パーカッション、サックス(最大音量:110dB)
楽器の音量ランキング第一位は、パーカッションとサックスが同率です。そして、どちらも最大音量で110dBと、至近距離でクラクションを鳴らされているレベルの衝撃的な音量を持っています。ちなみには、パーカッションは、打楽器全般の事を指していて、ティンパニやドラムなどがここに入ります。サックスは、管楽器の中では比較的歴史の新しい楽器で、非常に大きな音が出ます。
ちなみに、ドラムなどの打楽器を自宅で練習したい場合、その他の楽器以上に高性能な防音対策が必要です。ドラムなどの打楽器は、構造体を伝わる振動音をしっかりと防止しなければいけないので、ギターや管楽器用の防音室と比較すると、工事費が高額になりがちです。
まとめ
今回は、自宅で楽器の演奏を検討している方に向け、楽器ごとの最大音量をランキング形式でご紹介しました。この記事でご紹介したように、人が静かで快適に過ごせる騒音レベルは、だいたい45dBまでと言われていて、50dBを超えてくるとほとんどの方がうるさくて不快に感じるようになると言われています。もちろん、音の感じ方は個人差やその時の状況によって変わりますので、「ここからは騒音です!」と明確な線引きは難しいのが実情です。
ただ、楽器が生じさせる音というのは、騒音のギリギリライン程度の音量ではなく、誰が聞いても騒音と感じるレベルの音量だという点を忘れてはいけません。特に100dB以上の音を防音対策もせずに毎日のように発生させると、警察沙汰にまで発展する恐れがあると言えるでしょう。
自宅で楽器の練習などをお考えの方は、近隣に住む方に配慮するためにも、防音室工事が必要不可欠と考えてください。阪神防音では、多くのプロ演奏家からも選ばれている性能保証付き高性能防音室のご提案を行っていますので、ピアノやドラムなど、楽器用防音室をご検討中の方はお気軽にお問い合わせください。