楽器の練習場所はどこが最適?防音室以外にも楽器練習ができる場所がある
今回は、楽器の練習場所に困っている方に向け、防音室を作る以外にも、音を気にせずに楽器の練習ができるような場所があるのかについて解説します。
音楽関連の仕事についている方であれば、自宅で楽器の練習をしなければならないことから、多くの方が専門業者に依頼して防音室を用意するという選択をします。しかし、学校の部活で吹奏楽を始めた、コロナ禍以降に楽器の演奏を趣味として始めたなど、生業として楽器の演奏を行っているわけではないという方からすると、多額の費用をかけてまで自宅に防音室を用意するのは少し気が引ける…と感じる場合が多いと思います。
ただ、楽器の上達のことを考えると、練習に費やす時間が腕前に直結することもあり「何とか楽器の練習ができる場所を確保したい…」と考えてしまうものだと思います。とはいえ、自宅に本格的な防音室が無い場合、気兼ねなく音を出せる場所なんて思い浮かばない…という方が多いと思います。
そこでこの記事では、楽器の練習場所に悩んでいる方に向け、防音室を作るという選択を始めとして、コストをあまりかけることなく楽器の練習が可能になる場所をご紹介します。なお記事内では、それぞれの選択肢について、その場所を選んだ際のメリットとデメリットもご紹介します。
最もオススメなのはやはり防音工事で防音室を作る
楽器の演奏を生業にしているという方でなくても、吹奏楽や趣味で楽器の演奏をしていて、技術の向上を望んでいるのであれば自宅に専用の防音室を用意するのがやはり最もオススメです。
自宅で楽器の演奏をする場合、自分が生じさせる音により近隣住民に迷惑をかけてはいけないと考えることから「楽器の練習場所がない…」と悩んでしまう訳です。しかし、阪神防音のような防音工事の専門業者に依頼すれば、自宅でも時間帯を気にすることなく楽器の練習に集中することが可能です。実際に、音楽関連の仕事についている方は、いつでも楽器の練習ができる場所を確保するため、自宅に防音室を作っているのです。
楽器の上達は、やはりその楽器にどれぐらい触れているのかが重要ですし、最も練習時間を確保できるのは自宅に防音室を作るという方法のはずです。それでは、「自宅に防音室を作る」という選択肢には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?以下でご紹介します。
防音室を作る場合のメリット
自宅に防音室を作る場合のメリットは以下のような点があげられます。
- 時間帯を気にせず、いつでも楽器の練習に没頭できる
- 防音環境は当然として、演奏する楽器に最適な音響環境を構築できる
- ピアノやドラムなど、持ち運びできない楽器も練習できる
- テレワークやリモート学習など、楽器練習以外の利用用途がある
専門業者に依頼して、自宅に防音室を作るという選択肢は、移動する必要もなく、楽器の練習がしたいと思った時にいつでも練習が可能になることが最大のメリットです。防音室以外の方法になると、楽器の練習のために移動が必要になるのが一般的ですが、自宅に防音環境を設けることができれば、余計な時間をかけずにすぐに楽器の練習をすることが可能です。
趣味で楽器の演奏を始めた、学生の方で吹奏楽部に入部したという方の場合、「楽器の練習のために移動する」ということが大きなネックになる場合もあります。自宅に防音室を作れば、こういった点を気にすることなく、いつでも楽器の練習が可能になります。また、自宅に防音室を作れば、楽器練習以外にも仕事や勉強のための部屋として活用することが可能です。コロナ禍以降、テレワークやリモート学習が当たり前になっていますが、自宅で仕事や勉強をする際には「家族が生じさせる音が気になる…」なんて声も少なくありません。防音室があれば、こういった用途にも活用できる点が大きなメリットでしょう。
防音室を作る場合のデメリット
上記のようなメリットがある一方、防音室を作るという選択肢には、大きなデメリットも存在します。
- 防音室を作るために多額の費用がかかる
- 業者選びに間違うと騒音トラブルの危険が残る
楽器の練習場所を求めて、自宅に防音室を作るという選択については、多額の初期費用がかかる点が最大のデメリットです。楽器演奏に耐えられるような本格的な防音室を作る場合、やはり100万円以上のコストは覚悟しておかなければいけません。例えば、6畳程度の部屋を24時間いつでもピアノの練習ができるレベルの防音室にする場合、防音工事には200万円前後の費用がかかるのが一般的です。もちろん、防音工事にかかる費用は、防音室の使い方などを工夫することで安く抑えることも可能ですが、その場合でも100万円以上のコストはかかってしまいます。
この他にも、防音工事の重要の高まりに比例して、防音に関する知識のないリフォーム業者が防音工事業界に参入するようになっています。そのため、工事を依頼する業者選びを間違った時に「コストをかけて防音室を作ったのに、騒音の苦情が来た…」なんてことになるケースが増えていると言われています。楽器の練習場所を確保するため、防音室を作る場合には最初の業者選びが非常に重要になると考えてください。
なお、「自宅に防音室を作る」という選択は、お客様の住環境によっては選べない場合もあるので注意しましょう。例えば、賃貸住宅に住んでいる、分譲マンションでも大掛かりなリフォームが禁止されているというお宅では、防音工事が認めてもらえない場合があるのです。
音楽スタジオやレッスン室などで楽器の練習をする
二つ目の方法は、楽器の演奏を目的に運営されている民間の音楽スタジオや、楽器店などが運営しているレッスン室をレンタルして楽器の練習をするという方法です。
趣味で楽器を演奏し始めたばかりと言った方であれば、楽器の練習用に場所を貸してくれるようなレンタルスタジオの存在を知らない方が多いかもしれません。しかし実は、バンド演奏でも耐えられるレベルの防音環境を貸し出している民間の音楽スタジオは意外に多いのです。この他にも、楽器店が小型の防音室などをレッスン室として貸し出している場合もあり、自宅の近くにそういった施設があれば、利用するのがおすすめです。
この選択肢のメリット・デメリットは以下のような感じです。
音楽スタジオ、レッスン室で楽器練習をするメリット
音楽スタジオやレッスン室を借りて楽器の練習をする場合のメリットは以下のような面があげられます。
- 防音設備が整っているので音の問題を気にしなくても良い
- 楽器の演奏が想定されているため音響環境が良い
- 譜面台など、楽器練習に必要なアイテムがレンタルできる場所が多い
- 施設によってはピアノなど、持ち運びできない楽器が常設されている(借りられる)
音楽スタジオやレッスン室は、楽器の練習のために場所を提供する目的で運営されています。つまり、楽器練習の場所としては非常に好ましい条件が整っているわけです。こういった施設は、大きな音が生じる楽器の演奏が行われることが想定されているため、防音設備がしっかりと整っていて、騒音問題を気にすることなく練習ができます。また、音響環境などもきちんと整えられていますので、自分が出した音について、反響音などを苦痛に感じることも少ないでしょう。
さらに、ピアノやドラムなど、持ち運びができないような楽器についても、施設によっては貸出している場合があり、そういった施設が家の近くにあれば手ぶらで行っても楽器の練習が可能です。
音楽スタジオ、レッスン室で楽器練習をするデメリット
次は、音楽スタジオ、レッスン室のデメリット面です。
- レンタル料金がかかる(費用は施設によって異なる)
- 練習場所まで移動しなくてはならない
- 家の近くにない場合がある
音楽スタジオやレッスン室を借りて練習する場合、部屋を借りるために費用がかかる点がデメリットです。レンタル料金に関しては、施設によって格差がありますが、1時間当たり500~2500円程度に設定されています。防音環境や音響設備などが整えられていて、複数人で同時に練習できるような広いスペースが確保された部屋になると、これ以上のコストがかかる場合もあるでしょう。1回だけ借りることを考えると、防音室よりはコストが抑えられると感じますが、頻繁に足を運ぶことを考えると、それなりにまとまった費用がかかります。例えば、週4回程度2000円のスタジオを借りて練習する場合、年間で35万円以上のコストがかかることになります。もちろん、趣味で楽器を演奏するというレベルの方であれば、ここまで通うことはないかもしれませんが、数年通えば防音室を作れたレベルの費用がかかっていた…なんてことになりかねません。
この他にも、楽器の練習場所に移動しなければならないため、交通費や移動のための時間的なコストもかかってしまいます。つまり、中長期的に見ると、決してコストは安くない点がデメリットです。
カラオケボックスで楽器の練習をする
一般の方が「防音環境が整えられた民間施設」と聞いた場合、真っ先にカラオケボックスをイメージするのではないでしょうか?カラオケボックスは、スピーカーを通した歌声が近隣に迷惑をかけないようにするため、非常に高度な防音環境が整えられています。したがって、楽器の持ち込みが認めてもらえた場合、楽器練習の場所としては非常に好ましいと考える方が多いです。
そして近年では、多くの顧客を取り込むため、カラオケが目的でないお客様にも部屋を貸し出すカラオケボックスは多く、楽器の持ち込みも普通に認めてくれると言われています。もちろん、スタッフに無断で楽器の持ち込みをするのは禁止されているはずですので、自宅近くのカラオケボックスで楽器の練習ができるかは事前に問い合わせてみると良いでしょう。
カラオケボックスを楽器の練習場所に利用する場合のメリット・デメリットは以下のような点があげられます。
カラオケボックスで楽器練習をするメリット
まずは楽器の練習場所としてカラオケボックスを選ぶ場合のメリットからです。
- 音楽スタジオなどと比較すると費用が安い
- 会員割引やクーポンなどが利用できる
- 多くの場合、部屋料にドリンク代が込みになっている
- 24時間いつでも営業しているお店が多い
- 防音環境が整っているため、気兼ねなく練習ができる
- カラオケ曲に合わせて練習ができる
カラオケボックスを選ぶ場合のメリットは、レンタル料金はかかるものの、音楽スタジオなどに比較すると安価に借りられる点はメリットです。また、都市部のカラオケボックスの場合、24時間営業の場所が多いため、楽器の練習をしたいと思った時にはいつでも練習に行ける点がメリットです。
もちろん、カラオケボックスは、防音環境が整っていますので、時間帯なども気にする必要はなく、気兼ねなく楽器の演奏が可能です。この他、カラオケボックス特有のメリットとしては、部屋の料金にドリンクバーなどが付属されているお店が多いため、練習中にソフトドリンクが飲み放題になります。また、エレキギターなどの練習であれば、カラオケ曲に合わせて練習ができるので、リズムなどもとりやすいでしょう。
カラオケボックスで楽器練習をするデメリット
もちろん、カラオケボックスにもいくつかのデメリットが存在します。
- 部屋のレンタル料がかかる
- 他の部屋の音が聞こえてきて、練習の邪魔になることがある
- 基本的に、持ち運び可能な楽器しか練習できない
- 譜面台などが必要な場合、自分で用意しなければならない
カラオケボックスを楽器練習の場所として利用する場合のデメリットは、音楽スタジオなどよりは安いものの、レンタル料金がかかってしまう点です。会員登録をしてフリータイムで借りる場合、平日の昼間で1000円前後、夜間になると2000円前後の場所が多いと思います。土日はこれよりも高くなると思いますので、近くのカラオケボックスの料金は事前に確認しておきましょう。
この他、カラオケボックスの場合、自分で持ち込むことができる楽器しか練習できないのが基本です。中には、ピアノやドラムが常設されている部屋を用意しているカラオケボックスもあるようですが、このような施設は非常に稀ですので、基本的には持ち運びできない楽器の練習難しいと考えておきましょう。また、カラオケボックスは、店内は騒がしいお店が多く、他の部屋の音をうるさく感じて、楽器の練習に集中できない…なんて方も少なくないようです。
近くの土手や河川敷で楽器の練習をする
最後は、テレビドラマなどでも楽器練習の描写に利用されるケースがある、土手や河川敷に行って楽器の練習をするという方法です。楽器の音色は、空気の振動を伝わって拡散していきますので、距離が離れるほど減退していきます。つまり、この音の特性を利用すれば、近隣住宅に音で迷惑をかけないように楽器の練習が可能になるのです。特に、トランペットなどのベルのある楽器は、ベルの方向に向かって音が出ていきますので、川に向かって音を鳴らせば、背後の住宅には音が伝わりにくくなります。
自宅の近くに大きな川があり、河川敷で楽器の演奏が可能な場所があれば、そういった場所を利用するのも良いのではないでしょうか?
近くの土手・河川敷で楽器練習をするメリット
それでは、この選択肢のメリット面とはどのようなことが考えられるでしょうか?
- 無料で楽器の練習ができる
- 新たな交流の可能性がある
土手や河川敷を利用して楽器練習をするメリットは、やはり費用をかけることなく楽器の練習場所が得られるという点です。上で紹介した方法では、多額のイニシャルコストがかかる、部屋のレンタル料金がかかるなど、楽器の練習のためにかなりのコストがかかってしまいます。土手や河川敷は、みんなのスペースとして開放されていますし、無料で利用することが可能です。
この他に、楽器の練習中に通りかかった人に声をかけられ、新たな楽器仲間ができる可能性があるなど、交流を広げられるなんてメリットもあるかもしれません。
近くの土手・河川敷で楽器練習をするデメリット
一方、土手や河川敷での楽器練習には以下のようなデメリットがあります。
- 天候や気候に左右される
- 持ち運びできない楽器の練習はできない
- 近くに住居がある場合、苦情が出る可能性がある
土手や河川時期で楽器の練習をするということは、当然屋外になります。したがって、天候や季節によっては楽器の練習をすることができなくなります。天候に関しては、何十日も雨が続くなんてことはないのでそこまで問題にならないかもしれませんが、季節は大きな問題です。例えば、真冬の寒い日は凍えて指がまともに動かない…なんてことになるでしょう。真夏に関しては、直射日光を避けられる場所がない場合、日射病や熱中症の危険性があるなど、無料の場所ではあるものの「1年中楽器の練習に適している」とは言えないのが実情なのです。
この他、土手や河川敷の近くに民家があるといった立地関係の場合、音がうるさいと苦情を言われてしまう可能性もあるでしょう。
結局、楽器の練習に適した場所はどこ?
ここまでは、楽器の練習場所に困っている方に向け、どのような場所で楽器の練習ができるのかについて解説しました。上述したように、楽器の練習場所には、さまざまな候補が存在していて、それぞれの選択でメリット・デメリットがかなり違います。例えば、楽器の練習に一切のコストをかけたくないというのであれば、近くの土手や河川敷など、無料で利用できる場所で演奏するしかないでしょう。しかし、屋外での楽器の練習は、天候や気候にかなりの影響を受けますので、正直な話、まともに楽器の練習ができるのは、1年の内で半年程度の期間しかないと思います。季節的には、春や秋であれば屋外で楽器の練習が可能だと思います。ただ、この時期でも花粉症がひどい…なんて人の場合、屋外での楽器の練習は現実的ではないでしょう。
そうなると、楽器の練習をするには、ある程度のコストは覚悟しなければならないと考えるべきですね。上述したように、楽器の上達は、楽器に触れていた時間に比例するものですので、それなりの頻度で楽器の練習をしなければいけません。そうなった場合、どの方法を選ぶのが最も良いのでしょうか?
音楽スタジオやカラオケボックスという選択肢であれば、1回の練習につき1000~2000円程度のコストになるため、「趣味にかける費用としては妥当なのではないか?」と考える方が多いと思います。しかし、これらの選択肢の場合、そこまで行くための交通費や移動にかかる時間もコストに入れるべきですし、飲み物や軽食を購入することを考えると、1回の練習で4000円程度使ってしまう計算になってもおかしくはないでしょう。つまり、週2~3回練習する想定でも年間で50万円程度のコストがかかる計算になってしまうのです。
防音室を作るという選択肢は、一度に大きなお金がかかるため「防音室は高いしな…」と考えてしまうものです。しかし、しっかりとした防音環境が整えられた施設をレンタルする場合と比較すれば、3~4年程度でコストを取り戻す事が可能なのです。そして、防音室は一度作ってしまえば多少のメンテナンスは必要になるものの、基本的には一生物の設備として利用できます。更に、専門業者に、自分好みの音響環境や利用用途に最適な防音性能を実現してもらうことができるため、楽器の練習環境としても最適な場所になるです。
こういったことから、お子様が吹奏楽部に入部して楽器の練習が必要、趣味で楽器を始めたなんて方の場合でも、防音工事で専用の防音室を作ってもらうという方法が、最も最適だと言えるのではないでしょうか!