騒音が気になって眠れない!こんな時はどんな対処法を行えば良いの?
人々の生活空間が近くなった現在では、夜中に隣人が生じさせる音が気になって眠れない…と言った悩みを抱える方が多くなっているようです。
マンションなどの集合住宅に住んでいる方であれば、ライフスタイルが全く異なる方と壁一枚、天井一枚で生活空間を隔てているだけになり、テレビや足音、携帯電話などの通話音が夜遅くまで聞こえてくるなど、騒音により睡眠障害に陥ってしまうという話を耳にする機会が多くなっています。また、戸建て住宅でも、家と家の距離が数十cmしか離れていないなんて物件が増えていて、お隣の排水音や室外機の音が気になってしまう…と言ったご相談を受ける事が増えています。
それでは、このような「騒音が気になって眠れない…」なんてことになった場合、隣人との関係を壊さずに問題を解消できるような対処法はあるのでしょうか?この記事では、騒音による睡眠障害に悩んでいる方に向け、効果的だと考えられる対処法をいくつかご紹介します。
安眠を妨げる騒音と睡眠不足による弊害とは?
それでは、近年、人々の安眠を妨げると言われている騒音の種類について解説していきます。一般的にですが、人が「安眠」を得るためには、40dB(デシベル)以下の音環境が望ましいとされています。40dB程度というのは、人がささやき声で話すときに音量や、図書館の中と言った騒音レベルで、かなり静かな環境と言えます。例えば、人が眠りに入ろうとしている時、以下のような騒音が屋内外で発生し、40dB以上の音環境になってしまうと、「なかなか寝付けない…」「眠りが浅くなって、朝起きた時に眠い…」と言った問題を引き起こすと言われています。
- 上階の住人の足音が鳴り響く
- 隣人が夜中まで大音量でTVを見るor音楽をかけている
- 深夜にトイレやお風呂の排水音が聞こえてくる
- 夜中に人が集まって大きな話し声が聞こえてくる
- 楽器の演奏音が聞こえる
夜間にこのような騒音が聞こえてくると、人の安眠を妨げる結果になります。人にとって睡眠は非常に重要なもので、睡眠の質が落ちると日々の疲れが取れない…などの原因となり、健康被害を引き起こしてしまう可能性すらあるのです。
実際に、慢性的な睡眠不足は、以下のような弊害を人に及ぼすとされています。
安眠を妨げる騒音と睡眠不足による弊害とは?
睡眠不足は、人の健康にさまざまな悪影響を与えます。例えば、睡眠不足による悪影響の代表例としては、起床時に疲労感が残ってしまう、またストレスが溜まり頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こす可能性があるなどの弊害がありますので、注意が必要です。この他にも、睡眠時間が短くなってしまうと、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の発症や、うつ症状など、心身にさまざまな健康被害を引き起こすリスクが高くなるとされています。
当然、睡眠不足を感じた状態であれば、翌日のパフォーマンスにさまざまな悪影響が生じてしまう可能性があるなど、短期的に見てもあまり良い事ではありません。疲れが残ってしまうと、昼間に眠気を感じやすく、集中力の低下を引き起こし、仕事や勉強が捗らないという問題に発展します。さらに最悪の場合、普段はしないような大きなミスをしたり、事故などの大きなトラブルに見舞われる可能性も高くなるでしょう。
また、女性に関しては、「睡眠不足はお肌の大敵」とよく言われているように、美容や健康に悪影響を与えるとされています。このように、何らかの理由で安眠を妨害されてしまうと、将来的に健康被害に発展するなど、非常に恐ろしい問題が待っているかもしれません。したがって、隣人の騒音によって眠れない…なんて状況が続いているのであれば、出来るだけ早く問題を解消するために動くのがおすすめです。
騒音が気になって眠れない時の対処法とは?
それでは、隣人が生じさせる騒音が原因で「夜も眠れない…」なんてことになった場合、どのような対処法があるのかについても解説します。上述したように、騒音による安眠妨害などで、睡眠不足に陥ってしまうと、日々の疲れが取れない、ストレスにより心の病気を発症してしまう…など、さまざまな問題に発展する恐れがあります。
集合住宅に住んでいる方であれば、管理会社に騒音の苦情を伝えることで何らかの対処をしてもらうことができるかもしれませんが、騒音問題の難しいところは、苦情を言ったからと言って騒音が収まるとは限らない点です。また、最悪の場合、騒音の苦情を言ったことを逆恨みされ、暴力事件に発展する恐れもありますので、慎重に行動を起こす必要があります。
そこでここでは、騒音そのものを無くす方向で動くのではなく、騒音が気にならなくなるような防音対策により安眠環境を作るための対処法をいくつかご紹介していきます。
①耳栓やイヤーマフを利用する
騒音による安眠妨害対策として最もポピュラーなアイテムが耳栓をつけて寝るという対処法です。
耳栓は、その他の対策と比較しても、圧倒的にリーズナブルで手軽な対策である点がメリットです。耳栓には、シリコンやスポンジ製など、さまざまな種類がありますので、睡眠の邪魔にならない自分に合ったものを探すと良いでしょう。なお、睡眠時の騒音対策として耳栓を利用する場合、日中に使用するのとは異なる視点で製品を選ぶ必要があります。昼間は騒音値も高いので、遮音性に着目しがちですが、就寝時に装着するものは、遮音性以外にも寝返りをうった時にズレない、眠りを妨げるような違和感を感じないことが大切です。
なお、耳栓を装着しても騒音が気になる…という方の場合、耳栓よりも遮音性が高いイヤーマフを使用するのがおすすめです。イヤーマフは、ヘッドホンのように、耳を覆う形状をしていますので、高い遮音性を得られます。ただ、長時間装着してもいたくならないような設計がされているものの、逆に違和感を感じて眠りを妨げられると感じる方も多いです。また、耳栓やイヤーマフを装着して寝る時には、遮音性の高さによって目覚ましなども聞こえにくくなる点は注意が必要です。したがって、光によって起こしてくれる目覚ましなど、寝坊対策を別途考えておく必要があります。
②安眠ドーム(安眠枕)を利用する
安眠対策グッズとして近年人気になっているのが「安眠ドーム」や「安眠枕」と呼ばれる商品です。
これは、就寝時に顔周りを覆うように設置できるテントのような物で、顔の周りを覆うことで耳に騒音が届きにくくするという効果が得られます。また、目の周りも覆うことができますので、光を遮ることができる、冬場は顔周りの寒さを軽減できるなどの効果が期待できます。
安眠ドームは、アイマスクに耳栓の能力まで追加したような製品ですので、昼間の明るい時間に就寝しなければならない夜勤の方には特におすすめです。
③ホワイトノイズマシン
あまり聞き馴染みのないアイテムかもしれませんが、これは、ホワイトノイズと呼ばれる「さまざまな周波数の音を同じ強さでミックスして再生する騒音の一種」を発生させるものです。
騒音を発生させるなら意味がないと考えるかもしれませんが、実は換気扇やテレビの砂嵐のような「サー」「ザー」というホワイトノイズは、安眠効果や集中力アップ、リラックス効果があると注目されているのです。ホワイトノイズマシンは、意図的に「サー」「ザー」という音を発生させる製品で、自分が落ち着ける音を見つけ、就寝時にそれを流すようにして快眠に繋げるというアイテムになります。
近年では、さまざまな電機メーカーからホワイトノイズを発生させるマシンが登場していますが、実は動画サイトなどにこれと同じような音を流し続けるコンテンツも増えています。したがって、自分にとって快眠につながる音かどうかを確かめるためにも、一度スマホなどで試してみるのも良いかもしれません。
④イヤホン(寝ホン)
就寝時にホワイトノイズではなく、音楽を流しておく方法も注目されています。もちろん、部屋の中でBGMのように音楽をかけるのではなく、イヤホンをつけて自分だけが聞こえるようにします。ただ、通常のイヤホンだと、寝返り時にはズレる、違和感を感じて眠れない…などの問題があることから、寝返りでも外れないよう工夫が施された、就寝時専用のイヤホンが開発されているのです。ちなみに、就寝時に装着するイヤホンは「寝ホン」という総称で販売されていますので、興味がある方がネット検索してみましょう。
なお、寝ホンにもさまざまな種類があるのですが、最も使いやすいのはコードレスタイプです。コードがついているタイプは、寝ている時に首に巻き付く恐れがあります。
⑤防音対策を施す
最後は、部屋の防音対策を施すという手段です。費用は掛かりますが、ここまでで紹介した方法と比較すると、より良い睡眠環境を作ることができるのでオススメです。ただ、お住いの環境によって採用できる手段が異なります。戸建て住宅など、持ち家の場合は、問題となっている騒音に対して、部分的な防音工事を専門業者に依頼することで、静かな環境を作ることができます。ただ、賃貸住宅の場合、建物に対してリフォーム工事を施すことは難しく、ホームセンターなどで販売されている防音グッズを採用する方法となります。以下で、それぞれの住環境に関して、睡眠時の騒音対策として有効な対処法をいくつかご紹介します。
賃貸住宅での防音対策
賃貸住宅の場合、隣人の騒音に悩んだとしても、本格的なリフォーム工事は家主さんに認めてもらうことが難しいです。したがって、基本的には、建物に傷をつけない方法で対策を施すことになります。
- ベッドを騒音の発生源から離す
- 騒音を出す隣人との境界壁に防音パネルを設置する
- カーテンを防音カーテンに交換する
賃貸住宅の場合は、上記のように部屋を傷つけない方法を採用するしかありません。最近では、ホームセンターやネット通販で簡易的な防音グッズが販売されていますので、管理会社に相談しても騒音が収まらない場合は、試してみると良いでしょう。
持ち家での防音対策
持ち家の場合、専門業者に相談し、騒音をシャットアウトできる防音工事を行ってもらうと良いでしょう。
- 窓を二重窓にする
- 壁や天井に防音工事を施す
- 家族間の音の問題であれば、ドアを防音ドアに交換する
睡眠時の騒音程度であれば、基本的に部分的な防音リフォームで対処可能な場合が多いです。なお、ホームシアターや楽器の演奏など、音を生じさせる趣味を持っている方であれば、静かな睡眠環境を作るのに合わせて、部屋全体を防音室に作り替えるのも一つの手だと思います。
まとめ
今回は、隣人が生じさせる騒音により、安眠環境を妨害されている方に対して、騒音を防いでより良い睡眠環境を作るための対処法について解説しました。
記事内でご紹介したように、騒音により睡眠不足に陥ってしまうと、日々の疲れが取れなくなってしまうなど、最悪の場合は、重大な健康被害にまで発展する恐れがあります。この記事では、耳栓など、誰でも簡単にできる対処法もご紹介していますが、こういったアイテムを利用した時には、逆に違和感を感じて眠れなくなる…という声を聞く機会も少なくありません。
したがって、家族の健康を守ることを考え、より良い睡眠環境を構築するためには、専門業者による防音工事を検討するのも良いのではないでしょうか?我々のような防音工事業者は、問題となっている音に対して、ピンポイントの対処法を考案することができるため、皆さんが考えているよりも安価に安眠環境を作り出すことができるはずです。