トイレの防音対策について!意外に相談件数が多い防音工事がトイレです!
皆さんは、防音工事と聞くと”どのような方がどこに施すもの”と考えるでしょうか?多くの方は、音楽関係の仕事をしている方が自宅で楽器などの演奏を行うのに際して、近隣に配慮するために防音室を作る工事がメインと考えているのではないでしょうか?確かに、一昔前までの防音工事は、自宅で楽器の演奏をする、ホームシアターを設置したいなど、一般の生活音とは比較にならないほど大きな音を生じさせてしまうことから、近隣に配慮する目的で防音工事にコストをかけるという方が多かったように思えます。
しかし近年では、人々の生活空間に関する条件が変わってきたことや、ライフスタイルが多様化しているなどと言った理由から、日常生活上の生活音を苦痛に感じ、音によるストレスを解消する目的で専門業者に防音工事を依頼するというケースが増えているのです。例えば、マンション暮らしの方が増えている現在では、「上の階からの足音に悩んでいる…」という方が天井の防音工事を希望したり、自宅でテレワークに集中できる部屋が無いことからそれに対応できるような簡易的な防音室を求める方からの相談が急増しています。
そして、多くの方が意外に思われるかもしれない防音工事の依頼では、トイレに関する防音工事があり、昨今この依頼が非常に多くなっているのです。「なぜトイレに防音対策が必要なの?」と疑問に感じた方も多いかもしれませんが、その理由を聞くと誰もが納得できると思います。そこで当記事では、近年増加しているトイレの防音工事について、なぜトイレの防音対策を希望するのか、またどういった対策を施せば良いのかについて解説します。
トイレの防音工事を決断する理由は?
それではまず、なぜトイレに防音工事を施そうと考えるのかについて実際の意見をご紹介します。上述しているように、防音工事は楽器など、特別大きな音が生じる時に近隣に配慮する目的で行うのが一般的です。そのため、「トイレの防音工事」と聞くと「なぜトイレに?」と疑問に感じてしまう方は少なくないと思います。
ただ昨今の住宅事情を鑑みると、二世帯住宅が増えている、都市部などでは狭小地に3階建ての家を建てるケースが多いため間取りの自由度が低くなっているなどと言ったことから、日常生活の中でトイレの音が気になってしまうことが多くなっているわけです。ここでは、実際にトイレの防音工事を行った方が、何に悩んでいたのかをご紹介します。
①間取りの関係で家族の睡眠を邪魔するから
一つ目の理由は、大阪市内や東京24区など、都市部の戸建てで問題になるケースが多い理由です。都市部では、土地価格の問題などから、狭小地に3階建ての家を建てるケースが多くなっています。そしてこういった住宅では、2階部分と3階部分など、複数のトイレを設けるケースが多いのですが、床面積の関係上、寝室の隣にトイレを配置せざるを得なかった…なんてケースも珍しくありません。
寝室の近くのトイレは、利便性に関してはそこまで悪くないのですが、親世代と子供世代のライフスタイルの違いから、トイレの排水音などによる音の問題を抱えやすいです。例えば、夜中にトイレの排水音で毎日起こされてしまう…なんて状態になることも珍しくないようで、こういったお客様から「家族間の排水音による音の問題を解消したい!」と防音の相談が多くなっています。
②来客者への配慮として
これも家の中で発生する音の問題です。トイレから聞こえる音は、ご家族にも聞かれたくない…と考える人がほとんどだと思います。そのため、リビングの真横にトイレが設置されているなどと言った間取りの場合、トイレの音により、ご家族全員がストレスを抱えてしまう…なんてことも多いです。さらに、来客者があった時にはもっと問題で、来客した人が音を気にしてトイレを使用しにくい、家族も来客者がいる時にはトイレを使用できないなどといった問題を抱えることがあるようです。
こういったことから、来客者や家族が音を気にせずにトイレを利用できるように、音漏れしないトイレにしてほしいという防音工事の相談が増えています。
③トイレの音で近隣トラブルが
この理由は少し驚きですが、戸建て住宅ごとの距離が近づいている近年では、お隣に住む方から「トイレの音が気になって眠れないため、何とかしてもらえませんか?」と言った苦情を入れられてしまうということがあるようです。マンションなどの集合住宅では、昔からトイレやお風呂の排水音で騒音トラブルになることが多いため「常識外の時間にお風呂は入らないようにしましょう!」と言ったルールが管理会社などからアナウンスされることも少なくありません。しかし、戸建て住宅の場合、それぞれの住宅は独立しているわけですので、他の家のトイレの音を騒音に感じることなどあるのかしら…と疑問に感じる方が多いと思います。
ただ、大阪市内などで建てられている戸建て住宅は、家と家の距離が数十cmしか離れていないなんて条件も珍しくなく、お隣さんの寝室の真横にトイレが配置されている場合、排水音で騒音トラブルになることも増えているようです。これは、お隣さんとのライフスタイルの違いも原因で、深夜にお風呂に入る、深夜にトイレを利用するという場合、周囲が静かな分、排水音が目立ってしまうことになり、睡眠を妨げてしまうのです。こういった音の問題を防ぐ場合、本来は家を建てる前の間取り決めの段階で対策を施すのが良いのですが、既に建てられた後の住宅の場合、リフォームによる防音対策しか方法がなく、我々のような専門業者に相談が来るわけです。
なお、トイレからの音漏れについては、「そもそもトイレは防音対策がなされていない」というのも大きな要因です。一昔前のトイレなどは、換気のために小さな窓が取り付けられていて、開けっ放しにしているなんて状態も少なくありません。当然このような運用方法の場合、そこから音漏れが生じてしまいます。また、家の中への音漏れについても、トイレの壁には断熱材などが施工されていないことで、音が壁を通して他の部屋に聞こえてしまうという状況の場合も多いです。
こういったトイレに関する音の問題を抱えた時には、防音工事業者に調査をしてもらい、何が原因なのか、またどんな対策が必要なのかを提案してもらうと良いでしょう。
トイレの防音は何をすれば良い?
それでは、上で紹介したような問題を抱えた時、どのような防音対策を施せば良いのかについて解説していきます。なお、トイレの防音対策については、屋内にいる家族などに対する防音なのか、それとも隣家などの屋外に対してなのかによって必要になる作業が異なります。
ここでは、屋内、屋外それぞれに対する防音対策の手段をご紹介します。
屋内に対するトイレの防音対策について
それではまず、同居する家族に対するトイレの防音対策についてみていきましょう。上述したように、トイレの排水音などは、ライフスタイルが異なる家族にとって騒音になってしまう場合が少なくありません。例えば、親世代が寝静まっている深夜に頻繁にトイレを利用するなどと言った場合、間取りによっては家族の眠りを妨げてしまう可能性があります。この他にも、トイレの音が漏れることをストレスに感じ、家族や来客者がいるとトイレを利用しにくくなり、健康被害に繋がってしまうなどと言ったケースもあるようです。
こういった屋内でのトイレの音の問題に対しては、以下のような対策がオススメです。
- トイレのドアの隙間を塞ぐ
トイレのドアに限りませんが、一般的な室内ドアは、閉めていても換気がきちんとなされるようにワザと隙間が生じるような構造になっています。そしてトイレについては、この隙間が通常よりも広めに作られているケースが多いです。つまり、トイレで生じる音は、こういった隙間を通じて、他の部屋に広がっているのです。寝室や家族が集まるリビングが近い場合、トイレの音で起こされてしまう…、家族や来客者に音が聞こえてしまうのでは…と言ったストレスを抱えてしまう可能性が高くなります。このような問題については、トイレのドアに生じている隙間を埋めてあげることで、かなり音漏れを軽減することができます。ホームセンターなどに行けば、ドア用の隙間テープが販売されていますので、そういったものを設置すると良いでしょう。もちろん、簡易的な対策ですので、完全に音漏れを防ぐことはできませんが、安価で簡単にできるトイレの防音対策になります。 - トイレのドアを防音ドアに交換する
隙間テープでは心配…という方は、トイレのドアを防音ドアに交換するのがオススメです。防音ドアは、テレワーク対策などとしても人気になっている防音対策で、トイレ用の防音ドアも存在します。上述した隙間テープによる対策と比較すれば、ドア部分からの音漏れはかなり防げるようになり、トイレの音によるストレスを大幅に軽減してくれるはずです。 - 消音タイプのトイレに交換する
これは、防音工事の範疇から外れてしまいますが、屋内・屋外両方への防音対策として有効ですので、ご紹介しておきます。日本のトイレは、諸外国のものと比較すると、さまざまな面で高機能化が進んでいます。そして最近では、トイレの音問題を解消するため、流水音などを静かにした消音タイプの便器が販売されるようになっています。このタイプのトイレを導入すれば、トイレを流す際の音の問題を大幅に軽減してくれるはずです。
屋外に対するトイレの防音対策について
次は、お隣に住む方からトイレの音に対して苦情を言われたなどと言った場合の対策です。なお、築年数が経過している住宅であれば、トイレそのものを消音タイプに交換してみるのもオススメです。そして、それでも音の問題がおさまらない時に、以下で紹介するような防音対策を検討してみましょう。
- 換気部分への対策
上で紹介したように、トイレには換気目的で小さな窓が取り付けられていて、そこを開けっぱなしにしているケースが多いです。この場合、開口部からトイレの音が漏れてしまい、隣家の間取りによって騒音問題に発展してしまう場合があるでしょう。したがって、音漏れの原因となる開口部を塞ぐのが最もオススメです。ただ、換気機能は残さなければいけません。例えば、既存の小さな窓は、採光の機能だけを残すためFIX窓にして、別に換気口を設けるという方法があります。そして換気口については、防音タイプの換気扇を設置することで、トイレの音を漏れにくくすることができます。この部分は、案件ごとにトイレの構造が異なるので、対策が不要な家も多いです。 - トイレそのものに防音工事を施す
トイレの騒音問題を解消する最終手段は、トイレの壁や床、天井などに対して防音工事を行うという手法です。この対策は、屋外への音漏れだけでなく、同居する家族など屋内への対策としても有効です。上述したように、トイレは、断熱材などが施工されず、壁が非常に薄い構造になっていることも少なくありません。こういった住宅の場合、いくらドアや換気口などに対策を施しても、壁を通して音が伝わってしまう可能性があります。上で紹介したような簡易的な対策を施しても、トイレからの音漏れが気になる場合、トイレそのものの防音工事が必要です。コストはかかりますが、屋内・屋外での音の問題を解消できますので、トイレの音によるストレスはなくなるはずです。
まとめ
今回は、防音工事の中でも、ここ最近増加しているトイレの音に関する防音対策についてご紹介してきました。トイレの排水音による騒音問題は、マンションやアパートなど、集合住宅ではかなり昔から発生しており、物件の掲示板などに排水関連の注意事項が提示されているようなケースも多く見受けます。ただ、建物が独立している戸建て住宅に関しては、こういった排水音に関するトラブルの心配はないと考えている方が多い事でしょう。実際に、庭付き一戸建てが当たり前であったころには、トイレの音で近隣住人とトラブルが発生することなどほとんどなかったように思えます。
しかし昨今、都市部の戸建て住宅は、家と家の距離が非常に近くなっていることもあり、隣家との間取りの関係上、排水音を騒音と感じられてしまうケースが珍しくなくなっているようです。例えば、隣家の寝室の真横にトイレを配置した場合、深夜にトイレを利用することでお隣さんの睡眠を妨げてしまう可能性があります。トイレの利用は、人の生理現象ですので、深夜だからと朝まで我慢する…なんてことは難しいです。したがって、お互いがストレスを感じることなく日々を過ごせるようにするため、トイレに対する防音工事の需要が高くなっているのです。
なお、これから新築一戸建ての購入を検討している方は、トイレの防音性や配置などにも注目するのがオススメです。